米5大会計事務所(ビッグファイブ)から分離独立した大手コンサルティング会社が,新たな事業展開に乗り出している。コンサルティング会社に要求される“中立性”を捨てて,自ら事業展開したり,ベンチャー企業への投資や育成の支援,異業種との共同事業の強化,社員への報酬制度の変更などに取り組む。背景にあるのは,相次ぐ人材の流出や顧客ニーズの変化といった,コンサルティング会社を襲う環境変化だ。各社の戦略転換の実態と成否の可能性を探った。

 「当社の企業価値を高めるには,旧来からのコンサルティング事業だけでは限界がある。今後は自らさまざまなビジネスを手がけ,米GE(ゼネラルエレクトリック)のような総合サービス企業を目指す。大言壮語と思われるかもしれないが,数年後には全社売上高で世界のトップ10に入るのが目標だ」。米アンダーセン コンサルティングのグローバル経営委員会のメンバーを務める森正勝日本代表は,こう言い切る。

表1●ビッグファイブ系コンサルティング会社の日本法人が取り組んでいる新しい戦略の概要とベンチャー投資などの実績
 この言葉に象徴されるように,大手システム・コンサルティング会社が事業内容を急拡大させている。さまざまなベンチャー企業への出資やIT(情報技術)関連の子会社の設立,顧客企業と組んでの共同事業などである(表1[拡大表示])。

 中でも最も意欲的なのが,2001年1月1日にアクセンチュアに社名変更するアンダーセン コンサルティング(以下,アンダーセン)だ。ITベンダーや顧客企業,ベンチャー企業とのパートナ戦略を進めるなど,意欲的に新規ビジネスを展開しつつある。

 同社の新ビジネス展開の第一弾が,米マイクロソフトとの提携。両社は2000年3月に,Windows2000を使ったシステム構築を手がける合弁会社,アヴァナードを設立した。アンダーセンでは世界各国の現地組織が米本社の方針の下で同じ戦略をとる。日本国内でも2000年12月1日に,マイクロソフト製品を使ったシステム構築の専門部隊を設置した。

 アンダーセンはほぼ同時期に,大手インターネット・データセンター事業者の米エクソダス コミュニケーションズとも提携。銀行や証券など金融関連企業に向けたデータセンター構築サービスを,世界的な規模で提供していくことを発表している。

(戸川 尚樹)