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大手ソフト会社がコンサルタントの増強に追われている。マイクロソフトは“ボーナス”支給を売り物にした採用キャンペーンが奏功して,コンサルタントの人数を約70人から150人に倍増。SAPジャパンも積極的に外部採用を推進する。日本オラクルとロータスは既存のコンサルタントのスキルアップに注力する。より付加価値の高いビジネスに重点を置き始めた各社にとって,優秀な人材の確保は,「待ったなし」の課題になりつつある。

 「突然,当社のコンサルタントの直通電話番号に外部から連絡が入り,引き抜き交渉を持ちかけられることがよくある。どうやら,社員名簿が流出して,高値で取引されているようだ」。こう打ち明けるのは,SAPジャパン(東京都千代田区)でコンサルタンティング部門を統括する細谷哲史副社長だ。こうした同業他社による“一本釣り”が日常化するほど,大手ソフトウエア各社は,コンサルティング要員の人材確保に躍起になっている。

 IT業界での人材不足は,今に始まったことではない。だが,これまでの単なるソフト販売から,より付加価値の高いサービスなどの新ビジネスに活路を見いだそうとしている各社にとって,コンサルタント不足は従来にも増して深刻な問題だ。優秀な人材を確保できなければ,新ビジネスでライバルとの競争に打ち勝つことはおぼつかない。

マイクロソフトは「300万円」が奏功

図1●大手ソフト会社の当面のコンサルタント増強方針
マイクロソフトが製品技術スキルを重視して外部の人材を積極採用するのに対し,日本オラクルとロータスは業務スキルに重点を置いて内部の人材育成に注力する
 ひと口にコンサルタントの増強といっても,具体的な方針や内容は各社によって異なる(図1[拡大表示])。

 外部からの人材採用に最も積極的なのがマイクロソフト(東京都渋谷区)だ。同社は1999年後半から2000年半ばにかけてコンサルティング部門「マイクロソフト・コンサルティング・サービス(MCS)」の大幅増員を図り,新たに200人のコンサルタントを採用するという目標を掲げた。

 この目標を達成するためにマイクロソフトが打ち出した秘策が,2度にわたる大規模なコンサルタント採用キャンペーンだった。第1弾は1999年10月~12月に実施した「チャレンジボーナス300」。採用内定者には300万円を支給するというもので,当時は「支度金キャンペーン」として,話題を集めた。続いて2000年3月~5月には,採用キャンペーンの第2弾を実施。こちらは「採用内定者に,入社後1カ月の特別有給休暇と一時金100万円を支給する」というものだった。

 2度のキャンペーンの効果はてきめんだった。マイクロソフトはMCSの人数を,実施前の約70人から約150人へと増やした。目標には届かなかったものの,コンサルタントをほぼ倍増させることに成功したわけだ。キャンペーン前からMCSに所属していた,あるコンサルタントは,「毎週のように新入社員用の机が増えていった。システム構築プロジェクトがスタートしてから,初めて顔を合わせる中途採用者もいた」と振り返る。

(玉置 亮太)