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2000年秋以降,新しいタイプのコンピュータ・ウイルスが猛威をふるっている。同年11~12月のウイルス感染件数は,過去最悪のレベルに達した。新型ウイルスの多くは,従来のウイルスよりも巧妙な方法を使って,利用者が気づかないうちに広まっていくのが特徴。感染後の振る舞いも,ウイルス対策を実施できないようにするといった悪質なものが増えている。通常のウイルス対策を地道に実施するしか,これらのウイルスを防ぐ手だてはない。

 「新型ウイルスに注意するよう広く呼びかけたり,ウイルス定義ファイルを即座に用意するなど,考えられる対策はやり尽くした。しかし,2000年秋から猛威をふるっているウイルスは,今も収まる気配がない」。こう話すのは,ウイルス対策ソフト大手のトレンドマイクロで新型ウイルスの解析を担当する岡本勝之氏だ。

図1●情報処理振興事業協会(IPA)に届けのあったウイルス感染件数
2000年は秋以降に件数が急増し,11月に過去最悪を記録した

 情報処理振興事業協会(IPA)の調査によると,企業や個人から届けのあったウイルス感染の件数は,2000年11月に546件と過去最悪を記録。2001年1月12日に発表された最新データによれば,2000年12月の感染件数も528件と,まったく衰えを見せていない(図1[拡大表示])。この数字は1999年12月の約5倍に相当する。

 ウイルス感染が急増している最大の要因は,巧妙な方法で感染する新型ウイルスの登場だ。従来のウイルスのように,一見して不審と分かるメールを送信したり,感染後すぐにメッセージを表示したりせず,利用者が気づかないうちに広まっていくウイルスが増えてきた。さらに,感染後のパソコンからウイルス対策ソフト・ベンダーのWebサイトにアクセスできないようにする,といった悪質なウイルスも現れた。

 パソコンの販売台数が1999年に比べて飛躍的に伸びた結果,「ウイルスについて正しい認識を持っていないパソコン初心者が増えたことも,被害拡大につながっている」。IPAセキュリティセンターの木谷文雄ウイルス対策室長補佐は,こう指摘する。

(西村 崇)