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 米マイクロソフトは2月13日,Windows2000の次期バージョン「Windows XP」の概要を公表した。同社のビル・ゲイツ会長は,「Windows XPは当社にとって,Windows95以来の重要な製品」と力説する。しかしWindows XPの“実体”や,企業ユーザーにとっての魅力は,いまだに判然としない。

図●Windows XPの画面
ウインドウのデザインやアイコンの配置は変わったものの,基本的な機能はWindows2000と大差ない。画面左は「start」ボタンをクリックしてスタート・メニューを表示したところ。画面右は画像データを扱うツールで,ウインドウ左にある「Picture Tasks」のメニューを使って,複数画像を連続表示したり,デスクトップの壁紙にすることができる

 Windows XPは,マイクロソフトが「Whistlerウィスラー」のコード名で開発を進めている戦略OS。長年の懸案であったWindows NT/2000とWindows98/Meの統合を実現するほか,ユーザー・インタフェースを大きく変える。まずクライアント版を2001年後半に出荷する予定。サーバー版の出荷は,2002年以降になる見通しだ。

 XPとは「経験(Experience)」を意味する略語である。マイクロソフトは「ユーザーが従来にない経験を実感し,テクノロジをより手軽に楽しむことができる」(ゲイツ会長)を合言葉に,Windows XPの開発を進めている。

 同社の意気込みを象徴しているのが,今回初めて公開されたWindows XPの新ユーザー・インタフェースだ([拡大表示])。ウインドウやアイコンのデザインを大きく変えた。さらにコマンドの用途に応じて,関連するメニューを1カ所にまとめて表示する機能も用意した。例えば,画像の連続表示コマンドや編集コマンドは,「Picture Tasks」と呼ぶメニューに一括表示する。

 このほか,Windows XPには,インターネット経由で最新のヘルプ・ファイルを参照する機能や,動画ファイルを簡単に編集・共有する機能などが新たに加わるとマイクロソフトは説明している。しかし,今回同社が公開した情報は,非常に限られたものだ。一つひとつの機能が実際の製品に盛り込まれるかどうかも,決まっていない。「革新的な経験」を提供するというユーザー・インタフェースにしても,デモ画面を見る範囲では,従来のWindowsの延長にしか思えない。

 しかもマイクロソフトは,企業ユーザーにとってのWindows XPのメリットをほとんど説明していない。「Windows XPは,次世代戦略Microsoft.NETを実現するための重要なステップ」(ゲイツ会長)という,抽象的な発言を繰り返すだけである。.NETの構想を,Windows XPがどこまで実現するかは,相変わらず見えない。

 ユーザー企業の現状を見る限り,Windows95/98/NTからWindows2000への移行は,非常にゆっくりとしたスピードで進んでいる。そうした状況下で登場するWindows XPは,単なる「Windows2000のマイナーチェンジ版」に終わる公算が大きい。「.NETの本命は,XPの次のBlackcomb(開発コード名)」と打ち明けるマイクロソフト関係者もいる。

(玉置 亮太)