金融ビジネスアンドテクノロジーはこのほど,「第2回インターネット・バンキング・サービス満足度調査」の結果をまとめた。総合満足度の第1位と2位はシティバンク,東京三菱銀行で第1回と同じ結果だった。3位と4位には,前回ランク外だった郵便局とジャパンネット銀行がそれぞれ入った。
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表●インターネット・バンキングの顧客満足度ランキング 調査期間は,第1回が2000年8月1日~7日(回答者数929)。第2回が2001年2月23日~3月12日(回答者数2310)。回答者数が20以上の金融機関を表記した。満足度は「非常に満足」を100,「まあ満足」を75,「どちらともいえない」を50,「あまり満足していない」を25,「まったく満足していない」を0として加重平均した。 |
金融ビジネスアンドテクノロジー(東京都中央区)は金融専門のシステム・コンサルティング会社で,金融機関の顧客満足度調査も手がけている。本調査は2月23日~3月12日にインターネット・ユーザー2万6000人を対象に電子メールで実施した(有効回答者は2310人)。この2万6000人は調査会社の市場戦略研究所(大阪府大阪市)が抱えるモニターである。
表[拡大表示]には主な調査項目について,第1回調査(2000年8月1日~7日実施,回答者929人,回答結果は本誌2000年12月18日号30ページに掲載)との差を示した。顕著な変化は,郵便局とインターネット専業のジャパンネット銀行が躍進したことだ。両者とも第1回調査では利用者がいなかった。
郵便局のサービスは本番ではなく,「郵貯インターネットホームサービスの実証実験」の利用者が回答してきたもの。回答者は24人とまだ少なく,200人前後の回答者がある都市銀行などといちがいに比較はできないが,「総合満足度」で3位,「サービス内容」では1位と高い満足度を得た。金融ビジネスアンドテクノロジーは,「本格実施に踏み切った場合,民間銀行にとって脅威となる」とみている。
2000年10月12日に開業したジャパンネット銀行を主に使っている回答者は82人あった。まずまずの滑り出しと言える。サービス内容の満足度で5位,「トラブル時対応」で3位,表には記載していないが,「申し込み手続き」で2位,「サービス時間」で1位という満足度だった。24時間サービスを売り物にしているだけあって,サービス時間の満足度は80.2と同社だけが80点を超えた。
この両者のほかに目立った変化としては,横浜銀行や福岡銀行といった地方銀行の健闘が挙げられる。
全回答を平均してみると,すべての項目で満足度は向上した。総合満足度が第1回の60.8から第2回は63.0へ,サービス内容が61.5から64.4へ,トラブル時対応が50.3から52.1といった具合である。
回答者数を銀行別のシェアに置きかえてみると,1位は三和銀行(12.6%),2位はさくら銀行(11.0%),3位は住友銀行(9.8%),4位は東京三菱銀行と富士銀行(ともに9.0%)という結果になった。5都銀で上位を占める構図は第1回調査と同じである。4月に合併したさくら銀と住友銀に,さくら銀行系のジャパンネット銀行を足すと,24.3%と最大のシェアになる。ただし,さくら銀本体のサービスの満足度を見ると,ほとんどの項目で10位内に入っていない。