新日鉄ソリューションズは8月半ばにも,米ベリタスソフトウェア,オラクル,サン・マイクロシステムズの製品を一括販売・保守する新事業を開始する。3製品を組み合わせた「システム基盤商品」を作ることで安定稼働を保証し,一括して保守する。ユーザー企業のほか,他のインテグレータにも販売していく。

 新日鉄ソリューションズは今回の新事業を,「N-vos Initiative」と呼んでいる。これは,4社の社名の頭文字を組み合わせたもの。新日鉄ソリューションズは,ベリタスとオラクル製品の国内販売でトップの座にあり,サン製品の販売でも老舗である。ベリタス,オラクル,サンに関する技術者を多く抱えていることから,3製品の一括販売・保守事業に乗り出すことにした。

 米国では,ベリタス,オラクル,サンが自ら,「vos Initiative」と呼ぶ,3社製品の一括販売・保守事業を展開している。3社は米国でいずれも直接販売を手掛けているため,こうした連携体制を組みやすかった。

 3社の日本法人は,vos Initiative日本版の検討を進めているが,日本法人は3社とも間接販売が中心であり,保守の窓口をどこに置くかなど,事業連携の枠組みの面で合意がまだとれていない。このため,N-vos Initiativeが先行する形となる。サン日本法人は,ベリタス製品と組み合わせることで,高可用性のサーバーを求めるユーザーへの販売が強化できるとみて,N-vos Initiativeを積極的に支援している。

 N-vos Initiativeにおいて,新日鉄ソリューションズは,VERITAS Cluster Serverをはじめとするベリタスのストレージ管理製品,オラクルのデータベース管理ソフト,サンのUNIXサーバー,さらに複数メーカーのストレージ製品を組み合わせたパッケージ商品を用意する。パッケージ商品の価格は,各製品を個別に買うよりも安く設定する。

 パッケージ商品の詳細は現在詰めており,7月31日に開催する「N-vos Initiativeキックオフイベント」で発表する見通し。パッケージ商品の中に採り入れるストレージ製品については,EMCジャパン,日立製作所,IBM,サンなどの製品が候補として上がっている。日本の顧客の意見を聞いた結果,複数のストレージ製品を取り扱う必要があると判断した。これに対し,米国のvos Initiativeは,サンのストレージだけを対象にしている。

 N-vos Initiativeのパッケージ商品を構成する各製品群については,新日鉄ソリューションズがOSやミドルウエアの各種パラメータをあらかじめ設定しておく。こうすることで,パッケージ商品を利用するユーザー企業やシステム・インテグレータは,面倒なチューニングやパラメータ設定抜きで,すぐに利用を始められるという。稼働後にトラブルが起こったときは,新日鉄ソリューションズに依頼すれば,同社が障害原因を切り分け,必要なら各メーカーにトラブル解決の依頼を出す。

 これまでユーザー企業やシステム・インテグレータは,各メーカーから製品を個別に購入し,保守契約もそれぞれのメーカーと結ぶことが多かった。このため,システムの安定稼働や保守作業に思いの外,手間暇がかかっていた。新日鉄ソリューションズは,N-vos Initiativeにより,こうした問題を解決できるとしている。

狙いはサンのサーバー販売強化

 新日鉄ソリューションズがN-vos Initiativeを始める真の狙いは,サンのサーバー販売を強化することだ。現在サンのサーバー販売で国内6~7番目の同社は,この2~3年のうちに国内トップ3に入ることを目指している。

 新日本製鉄は1987年から,「NSSUN」のブランドでサン製サーバーのOEM販売を手掛けており,新日鉄ソリューションズが引き継いでいる。サンの販売では草分けであるにもかかわらず,販売実績では伊藤忠テクノサイエンス(CTC)や富士通の後塵を拝していた。

 新日鉄ソリューションズは,今回のパッケージ商品を,「業界標準のシステム基盤」と位置付け,他のシステム・インテグレータにも,N-vos Initiativeへの参加を働きかけていく。7月31日のキックオフイベントには,野村総合研究所,TIS,電通国際情報サービスといった有力インテグレータに加え,サン販売最大手のCTCも参加する予定である。

(谷島 宣之)