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 異なるベンダーが作った複数のEJB部品を連携させ,ショッピング用Webサイトを構築。11月28~30日に開催されたイベント「JavaOne Japan」では,EJB部品の再利用性を生かした実証実験が注目を集めた。J-フォンは,Java対応携帯電話を業務向けに展開するための具体策を初めて表明した。

写真●J-フォンのJava対応携帯電話を業務端末として利用。アプリケーションのサイズは約30Kバイト。iアプリ版もある。サントリーがテスト中である

 Java関連技術を幅広く紹介するJavaOneの中で,多くの企業のシステム担当者が関心を寄せたのが,複数のベンダーが開発したEJB(Enterprise JavaBeans)部品を連携させる実証実験だった。EJBは業務ロジックを部品化・再利用するためのソフトウエア技術。ベンダー8社が個別に作成したEJB部品を組み合わせて,ショッピング用Webサイトを作り上げたのである。

 各社は,それぞれショッピング・カート,受注,発注,会員管理,商品一覧,決済,ポイント管理,在庫管理の各機能のEJB部品を持ち寄った。参加ベンダーはイーシー・ワン,NEC,NTTコムウェア,サンモアテック,ソニーインフォメーションシステムソリューションズ,日本IBM,日立製作所,富士通である。

 「EJB部品を開発したベンダーが違うと部品間の連携ができないのでは,と聞かれることが多い。そこで,実際にシステムを構築して連携可能なことを示した」(イーシー・ワンの最首(さいしゅ)英裕副社長)。

 気になるのは開発工数だが,1人の開発者が3日間と短期間で連携作業を終えることができた。その背景には,設計思想が似ており,機能面で独立性が高い部品を選んだこともあるが,EJB技術の接続性の高さによるところも大きいという。

 最近EJBビジネスに多くのベンダーが参入し,部品を持ち寄ることができるベンダーが増えたからこそ,今回の実証実験が可能になったとも言える。1年前だったら8社ものベンダーのEJB部品を集めることはできなかっただろう。

J-フォンが業務用途に本腰

 Java搭載携帯電話に関する発表も多かった。J-フォンは,業務用にもJava対応携帯電話を積極的に売り込む姿勢をみせた。Java携帯電話の業務利用の分野で,NTTドコモ以外の選択肢が出てきたことになる。

 先行するNTTドコモに対抗するため,同社は三つの策を打ち出した。まず端末の能力を向上させる。2002年1月に市場投入予定の新機種では,Javaアプリケーションのサイズ上限を従来の50Kバイトから最大100Kバイトに上げ,パケット通信速度も9.6kbpsから28.8kbpsに高める。

 二つ目は,企業ユーザー向けの開発支援制度である。開発環境を一般公開するだけでなく,Javaアプリケーションの開発を担当するインテグレータやソフト開発会社など約80社のリストも用意する。

 三つ目は,企業システムと端末上のJavaアプリケーションの接続サービスの提供である。NTTドコモと違い,J-フォンはセキュリティ上の理由から,端末上のJavaアプリケーションとインターネットの接続を現時点では認めていない。だが企業ユーザーに対しては個別対応で接続できるようにする。

 業務システムの応用の例として,Java対応の携帯電話を利用した業務システムのデモを披露した。携帯電話からサーバー側システムにアクセスし,ワインの在庫確認などができる。サントリーのシステム子会社,サンモアテックが開発し,サントリーがフィールド・テスト中である。

(星 暁雄=日経Javaレビュー編集長)