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 「ブレード・サーバー」と呼ばれる,超薄型・小型設計のパソコン・サーバーが相次いで登場する。2002年3月にも,コンパック,デル,日本HP,NECの4社が製品を出す。既存の薄型サーバー市場にとどまらず,米ユニシスが牽引する大型パソコン・サーバー市場にまで影響を与えそうだ。

写真●日本ヒューレット・パッカードのブレード・サーバー「blade server bc1100」

 ブレード・サーバーは,プロセサ,メモリー,ハードディスクなどを搭載した「ブレード」と呼ばれるボードと,共用電源で構成される。1個の共用電源を使い,5~20枚のブレードをラックに差し込んで利用する。個々のブレードは,PCIバスなどの入出力バスや電源を持たない。このため,ブレード・サーバーは,従来の薄型パソコン・サーバーに比べてはるかに小型にできる(写真)。

 従来の薄型サーバーは,ラックにボードを水平に差し込んでいくが,ブレード・サーバーはブレードを縦に並べていく。メーカーによってブレードの大きさは異なるが,多くは縦置きにして高さ10センチ程度(写真のHPのサーバーは約20cm)。この高さのラック一段に,20プロセサ前後を収容できる設計になっている。

 高さ10センチの大きさでは,従来の薄型サーバーの場合,3~6プロセサ程度しか収容できなかった。つまり,ブレード・サーバーの設置スペース効率は3倍以上になる。

 ブレード・サーバーを準備中の米デルコンピュータ エンタープライズ・システムズ・グループのスボー・グーハ ディレクターは,「パソコン・サーバーの省スペース化や使用電力と発熱量の抑制は依然として大きな問題となっている。ブレード・サーバーは電源装置を共有したり,省電力型プロセサを採用するなどの工夫により,この問題を解決するものだ」と狙いを語る。

 ブレード・サーバーで先陣を切るとみられているのが,コンパックコンピュータだ。2002年3月にも,ブレード・サーバー「QuickBlade(開発コード名)」を出荷する。QuickBladeは,1プロセサ搭載のブレードを,ラック1段に20まで搭載できる。ラックは14段あるので,「1ラック当たり最大280プロセサまで増設できる」(日本法人の香取明宏IAサーバ製品本部製品企画部長)。

表●ブレード・サーバーを発売予定のメーカーと製品の概要

 さらにデルコンピュータ,日本ヒューレット・パッカード,NECの3社も2002年春をめどに,ブレード・サーバーを投入する計画だ([拡大表示])。4社のブレードは主として,動作周波数700MHz程度の超低電圧版Pentium zLを採用する見込み。

 一方,ブレード・サーバーの発売で割を食う格好になったのが米ユニシスである。インテルのプロセサを最大32個搭載できる大型サーバー「ES7000」をOEM(相手先ブランドによる生産)調達することを決めていたコンパックが,一転して調達中止を発表したからだ。同じくES7000のOEM調達を決めていたデルも事実上,同機のOEM販売を撤回している。

 コンパックとデルは大規模システムの構築にあたって,ES7000のように1台のサーバーに密結合した多数のプロセサを搭載する方法ではなく,大量のブレード・サーバーをクラスタ接続することで対処することにした。コンパックの香取部長は,「ES7000のような大型機に比べて,ブレード・サーバーのほうが処理性能をきめ細かく増減できる。このため,顧客のニーズに応じやすい」と方針変更を説明する。

(中村 建助,玉置 亮太)