非競争領域の“線引き”で差

図2●保険代理店向けシステムは,3種類に分かれている

 ただし,損保業界全体で一つの共同化システムを実現するのは一筋縄ではいかない。非競争領域と認識する部分が,各社で微妙に異なるからだ。現状で三つの陣営に分かれてしまっているのは,このためでもある(図2[拡大表示])。

 これについてISSシステムを推進する三井住友海上やニッセイ同和損保は,「ISSシステムがすでに備える生損保共通の機能と同じものは,わざわざ作らなくてもISSシステムを利用してもらうほうが効率的。ぜひISSシステムに相乗りしてもらいたい」と他の2陣営にエールを送る。

 特に損保ジャパン陣営のシステム共同化プロジェクトは,要件定義が終わった段階。まだシステムの完成には至っていない。「これからシステムを作るのであれば,なおさらISSシステムに相乗りしやすいのではないか」と,ISSシステムの利用企業は口を揃える。これに対して損保ジャパンは,「ISS参加企業と直接やり取りしてはいないが,ISSシステムを絶対に使わないと決めたわけでもない。今後も検討を続けていく」(広報担当者)と話す。

 一方で東京海上は,「2年以上も前から,システム共同化の構想を練って進めてきた。開発もほとんど終え,テストに入りつつある」(稲葉課長)。終了間近のシステム開発を中止してまでISSシステムを利用するのは,難しいと言える。

(大和田 尚孝)