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シェア1位の「ノーツ/ドミノ R5」のサポート終了を目前に、グループウエア市場が活気づいている。ライバル企業が狙うのは、ノーツのバージョンアップに二の足を踏むユーザー企業だ。守る側の日本IBMは、バージョンアップの支援策など“ノーツ離れ”の防止に努めている。

表●主要グループウエア・ベンダーのノーツ・ユーザー獲得に向けた施策
 グループウエア市場で2位のサイボウズは、6月30日に大・中規模企業向けグループウエア・ソフトの新版「ガルーン 2」を投入する。目玉は、処理性能と管理機能の改善だ。独自データベースだった旧版とはうって変わってオープンソース・ソフトのMySQLとPHPを活用し、処理性能を改善した。「3000人規模の企業でも、十分なレスポンスで利用できる」(青野慶久社長)。

 さらに、人事異動などに伴うユーザー情報の変更を管理画面上で変更できるようにした。前バージョンでは、必要な情報をCSVファイルで書き出し登録するなど、システム管理者による作業が必要だった([拡大表示])。

 ネオジャパンは、desknet's EnterpriseEditionの新版「4.2」を4月に投入済み。画面の使い勝手などについて、20カ所以上を改良した。ユーザー情報の管理機能も強化している。大規模な組織変更に伴うユーザー情報の変更を、一括で実行可能にした。前バージョンではオプションだった。

 サイボウズやネオジャパンが新製品で狙うのは、日本IBMが開発・販売する「ノーツ/ドミノ」のユーザー企業である。今年9月30日にサポートが終了する「ノーツ/ドミノ R5」は、全ノーツ・ユーザーの5~6割が使っていると見られる。この中で依然、バージョンアップを躊躇(ちゅうちょ)しているユーザー企業、特にノーツが強かった大企業に切り込む。

 「ノーツは良いソフト」との定評は崩れていない。しかし運用管理が複雑になりがちで、豊富な機能を使いこなせない企業も少なくない。ノーツの販売パートナー企業は、「メールや掲示板だけに使うのならばオーバースペック。他のソフトより割高に感じるだろう」と口をそろえる。

 Javaや.NETによるWebアプリケーション開発が普及するなかで、ノーツの開発環境としての優位性も薄れつつある。企業ポータルや営業支援システムの構築ソフトなど、ノーツ上のアプリケーションを代替するパッケージも増えてきた。コンテンツを手軽に更新できる「ブログ」の存在も、「情報共有」をうたうノーツにとって脅威だ。

 こうした状況は、シェアの変化に表れつつある。日経マーケット・アクセスの調査によると、2003年に36.1%だったノーツのシェアは、2005年には30.8%に低下した。マイクロソフトは3年前からノーツからの移行キャンペーンを展開しているが、「今年後半は、さらに取り組みを強化する」(同社)。

 攻められる側である日本IBMの澤田千尋ソフトウェア事業ロータス事業部長は「ここ数年、ノーツの活用方法やメリットについての啓蒙活動が十分でなかった。今年は、ノーツの活用促進に力を入れていく」と語る。

 同社はR5のユーザーに対して最新版への移行支援ツールやサービスを提供中。この冬には処理性能や管理機能を強化した3年ぶりの新バージョン「7」を投入する。これを軸に、ユーザー企業の“ノーツ回帰”を狙う。

(高下 義弘)

本記事は日経コンピュータ2005年5月30日号に掲載したものです。
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