図●ファミリーマートが2000年8月から全面稼働させる,新しい発注システムの構成。HTMLを使うことで,商品情報の提供スピードを向上させる
コンビニエンス・ストア大手のファミリーマートは2000年8月をメドに,新しい店舗発注システムを全面稼働させる。全国で約5500ある店舗に商品情報を迅速に提供し,各店舗がより適切に商品を発注できるようにすることが狙いである。

 この目標を実現するためにファミリーマートは,インターネット技術を全面的に活用する。特に注目されるのは,店舗に対してHTMLファイルで商品情報を提供すること。他の大手コンビニ・チェーンも商品情報の提供スピードを速めようとしているが,こうした事例は珍しい。

 商品情報をまとめたHTMLファイルを本部のスタッフが作成し,このページを既設の衛星ネットワーク経由で各店舗に配信する。画像などを含んだコンテンツ作成が容易なHTMLを使うことで,「売れ筋商品や宣伝キャンペーンの情報を,素早く店舗に伝えられるようにする」(情報システム本部の小澤宏純マネジャー)。各店舗の発注担当者は,ストア・コントローラ(OSはWindows NT)上で動作するWebブラウザで,これらの情報を閲覧する。

 ファミリーマートはこれまでも豊富な商品情報を各店舗に提供してきたが,その多くは書面によるもので,更新頻度も週1回程度だった。このため「テレビ番組で紹介された商品の売れ行きが急上昇している」といった情報を素早く店舗に伝えることが難しかった。これに対してHTMLファイルなら,必要なときはいつでも情報を更新できる。本部では,店舗に配信するコンテンツの作成を容易にするため,取引先との間をインターネットで結び,商品写真などを電子データで受け取れる体制を2000年2月までに整える。

 こうして発信した情報を店舗の発注担当者に有効に活用してもらうため,ファミリーマートは,新たに店舗に配備する発注用端末で商品情報を参照しながら発注作業ができるようにする計画だ。今年夏をメドに各店舗に配る携帯型発注用端末にWebブラウザを搭載し,店舗内のストア・コントローラと無線LANで接続する。現時点では,商品情報を記した書面を見ながら発注作業をしているため,「重要な情報が見過ごされることも皆無ではない」(小澤マネジャー)。

 新システム導入に先立ってファミリーマートは,1999年12月に,各店舗とセンター間の通信プロトコルとしてTCP/IPを利用できるようにした。今後,店舗でインターネットを使った電子商取引を行う機会が増えることをにらんでの措置である。5000を超える店舗からの発注にTCP/IPを使う小売業はまだ少ない。

(星野 友彦)