パソコン小売店やシステム・インテグレータにハードやソフトなどを販売するソフトバンク・コマース(東京都中央区)は販売・在庫管理など基幹系システムの再構築に着手し,5月初旬から段階的に稼働させる。ヒューレット・パッカード製UNIXサーバーで構築中の新システムと,IBMのAS/400上の現行システムを併存させるために,Webブラウザから両システムを統一的に利用できる環境を整える。

 5月初旬の段階では,UNIXサーバーで商品情報システムが稼働し,Webブラウザから各種の商品情報を検索可能にする。AS/400には在庫管理システムや受発注システムが残る。社内のユーザー約500人は新システムに完全に移行するまで,在庫の検索や発注といった旧システムの機能を引き続き利用する。このため,AS/400の画面をHTMLに変換する端末エミュレータ「RUMBA 2000 Management Server」(販売はネットマネージ ジャパン)を導入した。

 営業担当者が使う機能については,端末の画面をHTMLによるGUIの画面に変更,使い勝手を向上させた。物流担当者が使う機能については,使い勝手を変えたくないという物流部門からの要望で,AS/400の端末画面をブラウザから使えるようにした。

 UNIXサーバーとAS/400の新旧システムの間では,ほぼリアルタイムにデータを転送し,販売情報や在庫情報の整合性を保つ。データ連携にはメッセージ連携ミドルウエアのMQSeriesを使用する。AS/400は物流機能,EDI(電子データ交換)の機能などに特化したサーバーとして今後も利用する。理由は,「流通業界でAS/400が普及しているため」(ソフトバンク・コマース)という。

(高下 義弘)