日本火災海上保険は6月から,約10億円を投じて開発した,保険代理店の業務を支援する新システム「ProLEADER」の導入を代理店に勧めていく。ProLEADERを導入した代理店は日本火災の基幹系システムにインターネット経由で接続し,契約内容や事故履歴を照会したり,保険料金を計算できる。日本火災は2002年上半期までに1万社の代理店にProLEADERを導入する計画である。従来の代理店システムは6500社に導入されていた。

 ProLEADERは,Windows95,98,NTで稼働し,代理店は手持ちのパソコンにインストールして利用する。日本火災の基幹系システムに接続するオンライン機能と,代理店の顧客情報を管理するオフライン機能を持つ。

 オンライン機能については,富士通のVPN(仮想私設網)サービスを利用し,セキュリティを確保する。日本火災の基幹系システムのフロントエンドにWebサーバーを設置,このサーバーを介して,代理店のProLEADERと基幹系システムを接続する。WebサーバーはIBMのWebsphereを搭載したRS/6000を利用する。従来の代理店システムは損保業界が共同で運用するVANを利用していた。インターネットに切り替えることで新システムは従来の約半分の通信コストで運営できるという。

 一方,各代理店の顧客や契約情報を管理するデータベースも強化する。保険の切り替えや他の保険商品の販売促進などの対象となる顧客を選定するため,保険料や事故の有無などさまざまな条件で検索できる機能を提供する。サイベースの「SQL Anywhere Studio」をProLEADERに組み込み,独自開発の検索ツールで検索,抽出する。

(小林 暢子)