日本自動車連盟(JAF)は9月から,地図情報システム(GIS)やカー・ナビゲーション・システム(カーナビ)を活用した配車管理システム「ロードサービス統一システム」の導入を開始した。自動車の故障現場に到着するまでの時間短縮が狙い。まず神奈川支部で稼働を開始し,今後5年間で全国の拠点で使えるようにする。

 自動車の故障などでJAFに救援を求める依頼者からの電話を受けたJAFの受付担当者は,今回構築したロードサービス統一システムにアクセスする。依頼者から聞いた住所や目印となる建物の情報を入力すると,システムが電子地図上で位置を自動的に特定する。

図●JAFの配車管理システム「ロードサービス統一システム」を使った業務の流れ

 サービス車に指令を出す担当者は電子地図上の位置情報を元に,サービス車の活動状況をシステムで確認する。確認後,無線データ通信を使って最適なサービス車に指示を出す。サービス車内で指示を受けたロードサービスの隊員はカーナビの案内に従って,故障現場に駆けつける。パンクやエンジン故障,カギのトラブルといった依頼内容や,車種の情報,会員の情報,道路の混雑状況まで新システムで伝達できる。

 今まで依頼者の場所の特定には,主に紙の地図が使われていた。サービス車への指示は音声を使っていたため,故障現場に駆けつけるまでに時間的な損失があった。ロードサービス統一システムを導入することで,到着目標時間を30分から,25分に短縮する。「5分というのは短いようで大変シビア」(小林行雄ロードサービス部長)。受付担当者や指令担当者,隊員の労力を削減することも狙いの一つである。「GISやカーナビで現場の位置を地図上で簡単に確認できるので,大幅に業務を効率化できる」(小林部長)。

 新システムはUNIXサーバー5台と,GISソフト搭載のパソコン数台で構成する。UNIXサーバー群は故障の内容や故障現場といった情報を蓄積するデータベース,会員情報を保持するホストとの接続用ゲートウェイ,といった機能を持つ。GISソフトにはエフジェネックス(東京都千代田区)の「Earth Finder」を採用した。受付・指令のセンターからサービス車のデータ通信には,NTTドコモのパケット通信サービス「DoPa」を使用する。カーナビのシステムは,パケット通信用端末との連携や指令情報の表示といった部分を独自に作りこんだ。

(高下 義弘)