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 日立計測器サービス(東京都新宿区)は2001年4月,SAPジャパンのERPパッケージ(統合業務パッケージ)「R/3」の8モジュールを一斉に導入し,2001年4月から稼働させる。FI(財務会計),CO(管理会計),SD(販売管理),MM(在庫/購買管理)といったR/3の一般的なモジュールに加えて,サービス保守業務用モジュールCSM(カスタマ・サービス・マネジメント)を利用することが特徴。CSMの導入事例は国内ではほとんどない。「製品の品質や開発要員の手当てで不安もあったが,計測器や制御装置の保守サービスを手がける当社にとっては必要不可欠な機能と考えて採用を決めた」(田中敬三情報管理部長)という。このほか,同社はPS(プロジェクト管理),HR(人事管理),EC(経営管理)の3モジュールも導入する。R/3の各モジュールは,コンパックコンピュータのパソコン・サーバーProLiant 8500上で動かす。

図●日立計測器サービスが2001年4月に稼働させる新システムの概要
SAPジャパンのERPパッケージ「R /3」を使って構築する。保守担当者が,iモード携帯電話から,R/3の在庫管理モジュールにアクセスして,補修部品の発注処理をできるようにする

 日立計測器サービスは,R/3の導入を機に「既存の情報系システムとR/3を密接に連携させ,利用部門の業務負荷を軽減させたい」(田中部長)考えだ。このため同社では,R/3の導入作業と並行して,既存の補修部品在庫の発注システムや,作業進ちょく情報の共有システムとR/3を接続する作業を進めている。例えば,R/3と補修部品の在庫発注システムを接続すると,約550人の保守担当者がiモード携帯電話から補修部品を発注できるようになる([拡大表示])。「保守担当者が出先から補修部品を発注できれば,お客様の訪問効率は格段に向上する」(田中部長)と期待する。

 R/3のMM(在庫/購買管理)モジュールにiモード携帯電話からアクセスするためのミドルウエアは,ソフト・ハウスのマルス(東京都品川区)に開発を委託する。日立計測器サービスが導入するR/3 リリース4.6Cはiモード携帯電話との連携機能を標準で備えているが,「導入事例が皆無に近いため,当社が要求する機能を備えているかどうか判断できなかった」(田中部長)からだ。

 R/3の導入後は,利用部門が直接データを入力するケースが増えるため,ネットワークの負荷が高まる。これに備えて,日立計測器サービスは今年10月,本社と支社,営業所の間を結ぶネットワークを刷新した。NTTコミュニケーションズのIP-VPNサービス「スーパーVPN」を採用し,拠点間のデータ通信速度を1.5Mビット/秒に高めた。従来は,拠点間を128kビット/秒の専用線で結んでいた。

 さらに同社はこのIP-VPNの上に,ボイス・オーバー(VoIP)方式を使って,内線電話網を構築した。専用線による音声系ネットワーク(内線電話網)は廃止した。VoIPとは,デジタル化した音声データをIPネットワークを使って伝送する技術である。

 IP-VPNとVoIPの同時導入で,「全社のトータル通信コストを月額100万円増に抑えながら,大幅に回線速度を向上できた」(田中部長)。仮にVoIPを導入しなければ,月額400万円のコスト増になった。

(戸川 尚樹)