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 中部電力は2001年3月に,プログラミング言語にJavaを全面的に使った伝票処理システムを稼働させる。クライアント・パソコンから入力した伝票情報を本店や支店のUNIXサーバーに格納し,夜間バッチ処理で名古屋本店のメインフレームに転送する([拡大表示])。従来はオフコンで動作していたシステムを,Windows2000パソコンとUNIXサーバーによるクライアント/サーバー・システムで再構築する。

図●中部電力が2001年3月に稼働させる「伝票処理システム」の概要。アプリケーションはすべてJavaで開発した。クライアント・パソコンの起動時に,サーバー側とクライアント側のJavaモジュールの新旧を比較し,サーバー側のほうが新しければ最新版をダウンロードする。

 中部電力は2005年春の完成を目指して,基幹系システムの再構築を進めており,この伝票処理システムは,その第一弾になる。今後,2002年春をメドに経理・資財管理システムなどを順次稼働させる。これらのシステムの開発言語には,すべてJavaを採用することをほぼ決定している。

 中部電力は,稼働プラットフォームが変わっても,アプリケーションの手直しを最小限にとどめることを狙ってJavaを採用した。「一度開発した基幹系システムは,かなりの長期間にわたって使用する。将来パソコンのOSをバージョンアップしても,ユーザーにアプリケーションの動作を保証できるようにJavaを使った」(情報システム部オープン化推進グループの川上智博副長)という。

 中部電力は,Javaによるアプリケーションの開発効率を上げるため,システム全体で共通する基本的な業務内容を洗い出した。共通する業務内容は,ソフト部品として各サブシステムで再利用する方針だ。

 例えば,伝票処理システムでは,「伝票を発行する」という業務内容は,すべての伝票処理サブシステムに共通する。そこで,まず「伝票発行」という基本的な処理を実行するソフト部品をJavaで開発した。会計伝票や部署ごとの伝票といった個別の伝票発行業務を実装する際には,個別業務の独自部分だけを開発。サブシステムは,個別業務の独自部分を実装したJavaのプログラムと,共通業務を実現するJavaのソフト部品とを組み合わせることで,完成させる。

 このほか中部電力は,クライアント上に置いたJavaアプリケーションを常に最新のバージョンにするため,クライアント・モジュールを自動的に更新する仕組みを作り込む。クライアント・パソコンの起動時に,クライアントとサーバーにあるJavaアプリケーションの新旧を比較し,サーバー側のほうが新しければ,自動的にクライアントにダウンロードする。この際に,アプリケーション全体ではなく,更新されたモジュールだけをダウンロードするようにして,ネットワークの負荷を抑える。

(玉置 亮太)