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営業拠点を全国に展開する企業にとって,拠点間を結ぶネットワークをどのように構成するかは大きな問題だ。広く分散した多数の営業拠点をくまなく接続すると,通信コストがかかり,運用管理の負荷も増える。にもかかわらず,最近は営業支援システムの導入などによってネットワークの活用が不可欠になっている。オーディオ機器大手のケンウッドは,この問題に対処するため国内営業ネットワークの再構築に踏み切った。

 「グループウエアやインターネットの利用が増えて,ネットワークのレスポンスが悪くなってきた。10分近く画面が止まったままになる場合もあった。加えて,運用管理の負荷も大きかったので,ネットワークを全面的に再構築することにした」。こう語るのは,ケンウッドのシステムやネットワークを運用・管理するケンウッド・システムズ(東京都渋谷区)*1)の近藤薫IT戦略統括部・インフラ技術セクションマネージャーである。

 最近は,営業活動を支援するためのシステムを導入する企業が増えている。顧客情報や商談の状況,商品説明資料といった情報をグループウエアで共有したり,売り上げ実績などのデータをオンラインで分析したりする動きが盛んだ。ところが,営業拠点を全国に展開している企業の場合,こうした営業支援システムの基盤となるネットワークの構築は容易でない。通信コストや運用管理の負荷を抑えながら,いかに各拠点を高速に接続するかが問題となるからだ。

国内営業ネットワークを再構築

 このような中でケンウッドは,営業拠点を中心とするネットワークの再構築に取り組んでいる。従来はフレーム・リレー*2)を使って各拠点を結んでいたが,これをIP-VPN*3)のネットワークに切り替えた。新ネットワークでは,日本テレコムのIP-VPNサービス「SOLTERIA」を利用する。

 2001年2月現在で,すでに75拠点が新ネットワークに移行している。接続拠点の中には,配送センターなどの物流施設や,ケンウッド製品の修理・サポートを手がけるケンウッド・サービス(神奈川県座間市)の拠点も含まれる。ネットワークの切り替え作業は2000年8月から始めた。

 ケンウッドの営業部門では,主に二つのアプリケーションを利用している。一つはメインフレーム(NECのPX-7800)により,売り上げ実績や商品の在庫といった情報を管理するアプリケーション。もう一つは,電子メールや掲示板機能を持つグループウエア(NECのStarOffice)である。メインフレームは東京・八王子事業所,グループウエアのサーバーは東京・渋谷の本社や大規模な営業所に設置してあり,小規模な営業所はネットワークを経由してこれらにアクセスする。

 従来のネットワークではレスポンスが問題になっていたため,新しいネットワークでは各拠点を高速に接続することにした。グループウエア用サーバーがある大規模な営業所は384kビット/秒~1.5Mビット/秒,小規模な営業所は64kまたは128kビット/秒である。従来は,大規模な営業所で128k~256kビット/秒,小規模な営業所はすべて64kビット/秒だった。

 メインフレームのある八王子事業所については,1.5Mビット/秒の回線を3本使って新ネットワークに接続した。負荷の分散を図ることが狙いだ。営業所を地域別に東日本と西日本に分け,それぞれと通信するための回線を1本ずつ用意した。残りの1本は,主に各営業所が八王子事業所を経由してインターネットに接続するために使う回線である。

(西村 崇)