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 伊藤忠商事の自動車部門は4月,新しい受発注管理システムを稼働させる。各取引先の指定に合わせて,やり取りするデータの形式を柔軟に変更できることが特徴だ。データをXML形式で管理することによって実現した。まずは国内外の自動車メーカー,部品メーカー4~5社との取引に利用する。

図●伊藤忠商事の受発注管理システムの構成
データ交換用サーバーが,データベース・サーバー内のXMLデータを,取引先の独自形式データに変換する

 新システムは,部品の価格や納期などのデータをXML形式で専用データベースに蓄積する([拡大表示])。例えば,A社からB社の部品発注を取り次ぐ際,受け取ったA社形式の発注データをXML形式に変換して,専用データベースに一旦格納する。次にデータ交換用サーバーが専用データベースから,XML形式のデータを抽出して,B社形式に変換した後,B社に送信する。専用データベースに蓄積したXML形式のデータは,社内の実績管理や請求業務に使う。こうすることで,「取引先ごとに指定データ形式が異なっていても,簡単に対応できる。蓄積したデータを社内の別システムで再利用することも容易になる」(中国支社機械部自動車課の東條秀明氏)。

 伊藤忠の受発注システムと,取引先のシステムの間は,IP-VPN(インターネット・プロトコルを使った仮想私設網),またはインターネットで接続する。IP-VPNで接続する際は,ファイル転送プログラムを使って,暗号化したデータ・ファイルをやり取りする。インターネットを利用する取引先とは,データ・ファイルを添付した電子メールを送受信する。

 新システムは,Webシステムの開発に特化したインテグレータであるベイテックシステムズが開発した。XML形式のデータを蓄積する専用データベースは,ビーコン インフォメーションテクノロジーのXML専用データベース・ソフト「Tamino」で構築した。各社の指定形式とXML形式のデータの変換には,マイクロソフトの「BizTalk Server 2000」を使う。作成したデータを電子メールに添付する処理は,インフォテリアの「iMessenger」で実現した。

 伊藤忠は新システムの稼働によって,取引先との情報のやり取りを円滑にしたい考え。さらに年間で約2000万円の通信コストを削減できると予想する。これまではファクシミリや電話を使って,取引先と受発注や納期のデータをやり取りしていたため,通信費がかさんだ。取引先に情報がきちんと伝わらないケースもあった。

(栗原 雅)