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図●伊勢丹がLinuxを使って開発したインターネット販売システムの構成
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 百貨店大手の伊勢丹は4月中旬,インターネット販売サイト(http://www.isetan.co.jp/)をリニューアルした。5月下旬までかけて,化粧品やギフト,衣料品などの取り扱い点数を段階的に増やす。これにより化粧品の取り扱い点数は100から1000に,ギフトは1000から2000になる。衣料品も若者向けの商品の品揃えを大幅に拡充する。

 サイトの刷新を機に,伊勢丹はインターネット販売システムを再構築した。新システムのOSには,日本オラクルの戦略子会社であるミラクル・リナックスが開発・販売する「Miracle Linux」を採用した。データベース・ソフトは,Miracle Linux版のOracle8iを使う。

 伊勢丹がMiracle Linuxを採用したのは,開発コストの削減が狙い。伊勢丹のシステム子会社である伊勢丹データーセンターの上田克文システム営業部営業企画担当マネジャーは,「インターネット通販事業の予算は限られる。詳細はお話しできないが,Linuxを使うことで浮かしたシステム開発費をコンテンツの制作などに振り向けることができた」と語る。

 伊勢丹がシステム開発でLinuxを採用するのは初めてのこと。「Linuxのサポートに,当初不安を感じていた」(上田マネジャー)という。そこで伊勢丹はミラクル・リナックスのトップと交渉し,同社から全面支援の確約を取りつけてから導入を決めた。従来のインターネット販売システムは,Windows NTを使って構築していた。

 Linuxの採用に伴って,伊勢丹はアプリケーションの開発言語も変更した。受発注処理や会員管理といったアプリケーションをJavaで開発した。同社は,これまでマイクロソフトのWebアプリケーション開発技術ASP(アクティブ・サーバー・ページス)を使って,インターネット販売システムのアプリケーションを開発していたが,「今後はJavaが主流になると考えて切り替えた」(上田マネジャー)。

 新しいインターネット販売システムのハードには,コンパックコンピュータのパソコン・サーバーProLiantを選んだ。システムの信頼性を向上させるため,サーバーはすべて2重化した。Webサーバー兼アプリケーション・サーバーと,データベース・サーバーはそれぞれ2台ずつあり,相互にバックアップと負荷分散をしている。負荷分散ソフトとしてはNTTコムウェアの「Local cluster」を使った。「Linux対応の負荷分散ソフトを探し出すのに苦労した」(上田マネジャー)と言う。

 Javaによるアプリケーション開発は,ベンチャー企業のドリーム・アーツ(東京都港区)に委託した。「Javaの開発実績だけでなく,今後予定している携帯電話を使ったモバイル通販事業においても協業できそうだったので,ドリーム・アーツに開発を任せた」(上田マネジャー)。

 システム運用は,伊勢丹データーセンターが担当する。運用がスムーズにできるよう,ドリーム・アーツの開発チームには伊勢丹データーセンターの担当者3人が参加した。

(川又 英紀)