ディーシーカードが今年5月に全面稼働させた新基幹系システムの開発スケジュール
7年間かけて順次開発した。
[図をクリックすると拡大表示]
 クレジットカード大手のディーシーカード(DCカード)は今年5月に,新基幹系システム「第5次ホストシステム」を全面稼働させた。1994年4月から2001年4月までの7年間の歳月と,約250億円のシステム開発費(ハードウエア費用を除く)を投じた大プロジェクトがようやく終わった。「途中ではいくつもの困難に遭遇したが,結果として予定通りにシステムを完成させることができた」と同社の森田一郎システム部長は語る。

 プロジェクトが長期間にわたったのは,システムを段階的に刷新したことが理由。基幹系を構成する(1)加盟店情報,(2)会員情報,(3)対外接続,(4)債券情報の4システムを順番に開発していった。「基幹系システム全体を一度に刷新する方法もあるが,開発要員の確保や,出来上がったシステムの品質を考えるとリスクが大きい」(森田部長)と判断した。

 第5次ホストシステムの狙いは,「新商品や新サービスの登場に合わせて,システムを迅速に改良できるようにすること」(森田部長)だった。そのために日本IBMのCASEツール「WorkBench」を全面採用した。全社の業務プロセスを徹底的に洗い出し,WorkBenchに登録した。これにより「システムの保守・メンテナンス性も格段に高まった」と森田部長は見ている。

 さらにDCカードは,業務プロセスやシステム仕様に関するドキュメント管理を徹底した。利用部門が業務プロセスの変更を申し出た際などには,ドキュメント管理に協力してもらった。「正直言って面倒なときもあったが,将来のことを考えて妥協しなかった」(森田部長)。1980年代半ばに構築した従来システムは,ドキュメント管理が徹底されていなかったこともあり,システムの変更や機能追加に手間取ることもあった。

 第5次ホストシステムは,2台のIBMメインフレーム上で動作する。オンライン・トランザクション処理用には「S/390 9672-R65(処理性能は約310MIPS)」を,バッチ処理には「S/390 9672-R26(同約220MIPS)」を使う。

 データベース・ソフトとしては,階層型の「IMS」を採用した。リレーショナル型の「DB2」のほうが,システムの拡張性や柔軟性を確保しやすいが,「プロジェクトの開始時点では,DB2を基幹業務に適用した事例が少なかったので,採用を見送った」(森田部長)。

 システム開発は,グループ会社のダイヤモンドコンピューターサービス(DCS)が担当した。運用はDCカードが今年2月にDCS,NTTデータなどと共同で設立した「日本カードプロセシング」に任せる。

(戸川 尚樹)