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村嶋 修一氏 ライプ IT技術統括部長

ルーター故障に備え予備機を用意 雷対策には専用保護装置が有効

ルーターが故障した時に備えて,ルーターの予備機を確保しておくことは不可欠。ただし,やみくもに予備機を増やすのはコストがかさむだけ。故障の原因がほかにあるときは,そちらを先に解決した方が効果が上がる。

 B社は,全国に約1200カ所の営業拠点を持つ小売り業者である。

 すべての拠点でISDNルーターを使い,管轄の支店/営業所と接続している。ネットワークは,末端の営業所から支店,支店から本社とツリー状につながっており,営業所での販売データが段階的に加工されて本社に集められる仕組みになっている。

 長年運用してきたネットワークであり,大きな問題はなかった。ただ,ある支店での「雷」対策に頭を悩ませていた。

 この支店が担当しているブロックは雷多発地区に多くの店舗を配している。そのため,年間10件程度,多い時は20件程度の落雷によるルーター故障に遭遇する。

 本社には店舗へのUPS導入を申請しているのだが,その他の開発/機器入れ替えに予算を取られてしまい,なかなか店舗設置用のUPSまで予算が回らないのが実情だ。

 そのため仕方なく,「雷が鳴ったらすぐパソコン業務を止め,雷がまだ遠いうちにパソコンの電源を抜く」というローカル・ルールを立てていた。しかし,雷の都度電話まで止めるわけにはいかない。このため,落雷があると動かしたままのISDNルーターが故障し,電話とデータ通信が同時に停止することがあった。

 本社がこの支店向けに貸し出したルーターの予備機は2台だけ。雷は比較的短期間に集中する上に,ルーターの修理には1カ月程度かかる。とても2台の予備機では足りない。支店では独自に予備のルーターを3台購入したが,それでもまだ心もとない。

雷サージ・プロテクタで格安対策

図3 B社が導入した雷から通信機器を守る雷サージ・プロテクタの仕組み
雷対策は通信機器を落雷時の過剰電圧(雷サージ)から守る上で重要。雷サージ・プロテクタは,雷サージが通信機器に届く前に電力線に逃がしてやることで通信機器を守る機能を持つ。
 そこで目を付けたのが「雷サージ・プロテクタ」だ。落雷時に通信回線側に過剰電流(雷サージ)が飛び込んで来た際にAC(交流電源)側へ逃がす原理の製品である(図3[拡大表示])。

 日辰電機製作所,白山製作所,NTT-AT,APC,コトヴェールなどが製品を扱っている。設置も簡単で,製品によってはサージが飛び込んできた時に電源を落とすものもある。

 価格は3000円前後から1万円弱の製品がほとんどなので,UPSを入れたり,予備のルーターを買うより圧倒的にコスト・パフォーマンスがいい。何よりも予備機を設置しにいく手間と時間が省けるのが,B社にとってメリットであった。

 B社は,雷サージ・プロテクタを必要台数購入し,問題の支店の配下にあるすべての店舗に配備した。それでもルーターの故障はゼロにはならなかったが,その発生率を10分の1以下に抑えることができた。これにより,今持っている予備機で十分対応が可能になったのである。

 ネットワークの構築は通過地点でしかない。ネットワークが開通したその瞬間から維持運用が始まる。ネットワーク管理者はネットワークの健康状態を監視するだけではなく,技術や管理方法を研究し,より効率の良い運用を日ごろから心がける必要がある。