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吉田 藤助氏 日本NCR カストマー・サービス本部 ネットワーク・サービス事業部 無線LAN担当
田丸 哲美氏 日本NCR 流通システム本部 マーケティング統括部 製品企画第一担当部

企業への導入が進むIEEE802.11b準拠の無線LAN。無線LANには,レイアウト変更や,端末を移動させながら利用しやすいといったメリットがある。ただし,企業での導入では,無線の特性を考慮してネットワークを設計する必要がある。無線LANの電波は障害物で減衰したり,予想外の場所に到達するからだ。

 無線LANは,99年秋に11Mビット/秒の通信が可能な高速規格「IEEE 802.11b」が成立し,利用可能な2.4GHz帯の帯域も拡大した。製品の低価格化が急速に進み,無線LANの導入を検討する企業も増えている。ただ,電波を伝送媒体にする無線LANは,的確に設計しないと電波干渉や雑音などで思わぬ影響が出かねない。

微妙な環境で性能は左右 他の電波源との干渉にも注意

オフィスには,キャビネットやパーティション(つい立て)など,無線LANの通信に影響を与える障害物が多く存在する。アクセス・ポイントの設置場所など,設置や配置によって実現できる性能が変わることがある。

 A社は10Mビット/秒イーサネットをIEEE802.11b準拠の無線LANに置き換えた。年2回の人事異動に伴うLAN配線工事をなくすのが目的だった。無線LANの導入前,A社はフロア内で10Mビット/秒の帯域を共有していた。このため,11Mビット/秒の無線LANのアクセス・ポイントを1カ所設置すれば,十分だと考えた。

 ところが導入後に,「ファイルのダウンロード時間が長くなった」,「レスポンスが遅くなった」というユーザーの不満の声が高まった。測定してみると,確かにファイル転送のスループットが低下していた。場所による差も大きく,ほかの端末が通信していなくても500kビット/秒程度のスループットしか確保できない個所もあった。