PR

吉田 藤助氏 日本NCR カストマー・サービス本部 ネットワーク・サービス事業部 無線LAN担当
田丸 哲美氏 日本NCR 流通システム本部 マーケティング統括部 製品企画第一担当部

DHCP用のIPアドレスが不足

 A社の無線LAN導入は順調に進み,社員の評価も上々だった。ところがある日突然,会議室からアクセスできなくなるというトラブルが発生した。会議室にパソコンを持ち込んだユーザーの一部が,ネットワークに接続できなくなったのだ。調査してみると,原因はDHCPサーバーにあることが分かった。DHCPサーバーから端末に割り当てるIPアドレスが底を突いてしまっていたのだ。

 A社がDHCPサーバーにより,会議室のサブネットに用意していたIPアドレスは64個。会議室の定員は20人。3倍のアドレスがあるため,A社はこれで十分と認識していた。

図2 共用スペースでの無線LAN使用時にトラブルの原因になりやすいDHCP
A社では多数のパソコンが会議室を利用した結果,DHCPサーバーからIPアドレスを割り当てられなくなるというトラブルが発生した。これを解決するために,割り当て用のIPアドレス数を倍増させるとともに,割り当てたアドレスの有効期間を短く設定し直した。
 ところが,トラブルがあった日とその前日は,複数の部署が入れ替わり立ち替わり会議を続けていた。このため,異なる部署のパソコンが別々のIPアドレスを取得。割り当てるIPアドレスがなくなり,最後には新たな端末が通信できなくなったわけだ(図2[拡大表示])。というのも,一度割り当てられたIPアドレスは,有効期間(リース期間)が切れて保留期間が過ぎるまでは,再割り当てしないからである。

 例えばWindows NT/2000 Serverの場合,DHCPサーバーのデフォルトのリース期間は72時間,保留期間は24時間である。UNIXマシンをDHCPサーバーに使う場合の期間も同様。A社の場合はWindows NT Serverをデフォルト設定のまま使っていた。

 Windows NT/2000 Serverの場合,リース期間と保留期間は最短で1分間に設定できる。ただ,むやみに短くするのも問題がある。端末はリース期間が半分過ぎた時点で期間の延長をDHCPサーバーに要求する。延長要求で発生する余分なトラフィックを避けるには,リース期間をなるべく長く設定した方がよい。

 結局A社は,DHCPサーバーでプールするIPアドレスの数を128個に増やした上で,IPアドレスのリース期間を24時間,保留期間を1時間に設定し直した。1日の会議の回数は最大でも5回程度。この設定ならIPアドレスは不足しないと判断した。設定変更の結果,IPアドレスが不足する事態は再発していない。