岡崎 俊二氏 マーキュリー・インタラクティブ・ジャパン副社長
連続テストでボトルネックを発見 見えにくい原因は時間変化で追求
負荷テストでは,Webサイトの性能の時間変化を見ることも重要。性能が飽和しているのか,低下しているのかなど,原因究明のヒントをつかめる。ただ,一見関係ないところに本当の原因が潜んでいることもある。分析には慎重さも必要である。
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写真1 負荷テスト・ツールでスループット低下を検出した例 米マーキュリー・インタラクティブの「ActiveTest」でスループットの変化を表示した例。アクセス数はテスト開始後1分30秒以降一定だが,スループットは2分経過後以降低下している。このケースではファイアウォールの設定に問題があった。 |
時間とともに性能が低下
メモリー増設後に,再度同時アクセス数を上げながらテストしたところ,同時アクセス数50まで特に問題は見つからなかった。しかし,念のため,設計上の同時アクセス数の上限である50アクセスの負荷を30分間かけ続けたところ,徐々にレスポンスが悪くなることが分かった。
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図2 B社の負荷テストごとの性能変化のパターンと問題の原因 正常であれば同時アクセス数とスループットは比例する。性能に問題が発生したときも,Webサイトからのデータ転送速度(スループット)を分析すれば原因の手がかりをつかめることが多い。 |
Webサイトのパフォーマンスの検証では,長時間負荷をかけて,性能の時間変化を見ることも重要である(写真1[拡大表示])。ほとんどの負荷テスト・ツールは,Webサイトからのスループットを性能の指標として収集する。短時間では発見できないボトルネックも,長時間スループットの推移を監視すれば発見できることが多い。負荷が一定なのにスループットが徐々に低下したり,短時間だけスループットが低下するような状態は要注意である(図2[拡大表示])。