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稲荷 幹夫氏 サイバード 技術担当執行役員兼技術部長

図3 B社が検討したECサイトのシステム構成
 モバイルECサイトの接続性を改善するため,B社はシステム構成を変更した。当面は,処理負荷が大きいWebサーバーをパソコン向けと携帯電話向けで分割する「オプション型」を採用。携帯電話向けサイトの売り上げが増えれば,システムを完全に分割する「独立型」に移行することも検討中である。

システムを切り離して影響を防ぐ

 パソコン向けとモバイル向けのECサイト・システムを連携させる際は,(1)モバイル・オプション型,(2)モバイル独立型――の2種類がある(図3[拡大表示])。

 B社は早期に改善するため,SIから提案があったモバイル・オプション型を採用することにした。モバイル・オプション型は,処理負荷が大きいWebサーバーをモバイル専用に用意する。パソコン向けサイトの混雑の影響をモバイル・サイトに及ぼさないためだ。

 ただし,データベース・サーバーはパソコン向けサイトと共用したまま。ECサイトでは商品の種類や在庫などの情報,会員情報をやり取りするため,基幹データベース・システムとリアルタイムに連携させている。

 データベース・サーバーを共用する際は,そこがボトルネックにならないように機能を分散させたり,負荷分散する必要がある。分散方法は,第2回で詳しく説明するが,データベース・サーバーのハードウエア交換以外にも選択肢を用意できるようにしておく。

独立システムなら容易に拡張できる

 B社は今後,モバイルECサイトの売り上げが増えた場合には,パソコン・ユーザー向けサイトと独立させるモバイル独立型の採用も検討している。モバイル向けサイトは応答時間の制約が厳しいため,モバイル向けシステムだけ,アクセス数に応じてシステム規模を大きくしたいからだ。

 ただしモバイル独立型を採用する場合は,データベースとの連携に工夫が必要になる。リアルタイムにデータをやり取りすると,ユーザーへのレスポンスが遅れてタイムアウトすることがあるからだ。

 タイムアウトを防ぐため,いったんモバイル・サイト側で強制的にタイムアウトを起こし,ユーザーに仮登録の形でレスポンスを返す。データベース側とは,非同期にデータの整合性を取るようにする必要がある。