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稲荷 幹夫氏 サイバード技術担当執行役員兼技術部長

図3 C社はアクセスが少ない時間帯に保守やシステム変更を実行
 C社はモバイルECサイトで商品を販売している。システムの保守や変更時はサイトの応答性が低下したり,サイトを停止する必要があり,売り上げに影響してしまう。そこでC社はアクセス数を調査して,毎日のメンテナンスは午前3時~7時,不定期の機器追加などは月曜日の早朝というように,アクセスが少ない時間帯に実行している。

対象を限定してタイムアウトを防ぐ

 モバイルECサイトで商品を販売しているC社は,商品検索機能を改善した。以前は全文を対象に検索しており,商品が増えて処理が重くなるとタイムアウトするようになったからだ。

 パソコン向けサイトではユーザーの利便性を考えて,あいまい検索や,全文検索できるサイトがある。しかしモバイル・サイトの場合,あいまい検索や全文検索をすると,処理時間が伸びてタイムアウトにつながる。

 そこでC社は,ユーザーに複数の画面を遷移させて階層的に検索するドリルダウン形式を採用して改善した。最終的に,10程度の結果に絞って表示する。携帯電話は多くの情報を表示できないため,結果が多いとユーザーが探すことになり,かえって使い勝手が悪くなる。

 ただし,この方式はユーザーが検索結果の画面を遷移するたびにリクエストが発生し,サーバーの負荷が増える。検索処理と購買処理を担当するサーバーを分けて,処理を分散させた。

アクセスが少ないのは午前3~7時

 こうしたシステムの変更時は,一部のシステムだけで運用するため,応答が遅くなったり,停止させる必要がある。しかし,物販サイトを停止すれば,その間の売り上げが落ちてしまう。

 とはいえ実際には毎日,他システムとのデータ連携や,データの整合性を取る作業,バックアップなどがある。また,システム構成を変更したり機器を増強する場合は,どうしてもサイトを止めなければならない。

 そこでC社は,ECサイトのアクセス状況を調査。すると,1日のうちでは午前3時~7時のアクセスが最も少ないことが分かった(図3[拡大表示])。オンライン・バックアップ,会員データの同期など毎日の処理は午前3時~7時に実施することにした。作業時はある程度応答が遅くなるが,影響を最小限にとどめられる。

 また,1週間を通してアクセス数を見ると,月曜日の早朝が最も少ない。オフライン・バックアップや機器の拡張作業といったサイトを停止する必要のある処理は,この時間帯に実施して影響を小さくする工夫をした。