PR

大沼 守一氏 NTTコミュニケーションズ ソリューション事業部ITビジネス推進部AppMasterコンサルタント

川崎 啓介氏 NTTコミュニケーションズ ソリューション事業部ITビジネス推進部AppMasterコンサルタント

企業ネットワークをIPに統合する動きが進み,ネットワークの性能管理がより重要になってきた。他のトラフィックの影響を受けて,業務に直結するシステムの応答時間が遅くなるなどの問題が出ているからだ。必要に応じて詳細な情報を収集したり,複数の結果をまとめて分析することが重要である。

 企業内システムのレスポンスが遅くなるなどのトラブルが発生したら,まずトラフィック特性に関する詳細な監視データの収集が不可欠になる。監視データが少ないと,重要な問題点を見逃す恐れがあるからだ。

業務系を他アプリが圧迫
1分ごとの詳細情報で発見

ファイル転送などの突発的なトラフィックが発生すると,企業にとって重要な業務システムのレスポンスに悪影響が出てしまう。原因を探るには,アプリケーションごとのトラフィック特性を短い間隔で把握して,分析する必要がある。

 金融業のA社にとって,融資先を審査するために使う審査システムは,業務に直結する最も重要なシステムの一つ。ところが,審査システムを利用する融資審査部から,レスポンスが遅いというクレームが出るようになった。A社の情報システム部はすぐに,運用管理体制を整え,原因を探ることにした。

 審査システムは,A社のセンター拠点に置いて運用中。クレームが出た融資審査部がある拠点とは,384kビット/秒の専用線で結んである。まず,A社の情報システム部は,融資審査部と審査システムを結ぶルーターなどを対象に,MRTGでパフォーマンスを監視することにした。

 MRTGは監視対象の通信機器からMIB情報を取得し,自動的にグラフ化してWebブラウザで見るツール。管理対象の機器に対してSNMPコマンドを送信して,トラフィック情報などをMIB情報として取得する。