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木下 智氏 スターネット ネットワークソリューション部 ネットワーク技術課長

VoIP機器のFAX通信機能を活用

 結局B社は,VoIPルーターが持つFAX通信機能を使うことにした。これは,VoIP機器がFAX信号を音ではなくイメージ・データに変換して対向するVoIP機器に送る機能だ。

 FAXの1チャネルが消費する帯域幅は,あらかじめ設定したFAXの通信速度と同じになる。B社は,G3 FAXで規定されているFAXの通信速度のうち,「7.2kビット/秒」に設定することにした。FAXトラフィックが消費する帯域が,音声とほぼ同じになるからだ。

 従来の速度と比べるとFAXの通信時間は長くなるものの,B社が使っているFAXは蓄積機能を持つ機種がほとんど。送信者が通信時間を気にせず済むため影響がないと判断した。

図3 B社はFAXの通信速度を音声の符号化速度に合わせるためVoIPルーターにFAX速度を設定,スーパーG3FAXの一部の機種の間で通信できなくなった
 FAXの速度を音声の符号化速度8kビット/秒に最も近い7.2kビット/秒にするには,FAX機器同士のネゴシエーションをVoIPルーターとFAX機器との間で実行させる必要がある。FAXとVoIP機器との相性が原因で,一部のスーパーG3FAXで通信できなくなった。スーパーG3モードを無効にすることで解決した。

特定の機器間でFAXが失敗する

 運用を始めたところ,複数の部署でFAX通信ができなくなった。調べてみると,スーパーG3FAXの発着信に異常が見受けられた(図3[拡大表示])。

 原因は,VoIPルーターとFAX機器との間の相性だった。VoIPルーターとスーパーG3 FAXとの間でネゴシエーションが異常終了していた。一般に,VoIP機器のFAX通信機能は,FAX同士がやり取りする速度決定などのためのネゴシエーションを,対向するFAXの代わりに実行する。そこでVoIP機器とFAXの相性の問題が出てくる。

スーパーG3モードを解除して解決

 スーパーG3モードは,メーカーが独自の高速モードを組み込んでいるケースも多く,FAXメーカーによる「癖」が残っている。一部機種間で通信不可となるのはこのためだ。B社は,VoIPルーターのメーカーに改善を要求したが,解決は難しいとの回答。

 仕方がなく,スーパーG3モードを解除することにした。これで正常にFAXをやり取りできるようになった。