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村嶋 修一氏 ライプ IT技術統括部長

ブロードバンド・インターネットを利用して社内ネットワークを構築する企業が増えている。ただ,家庭での利用とは異なり,サービスの選択や利用方法,設定などに特別な注意が必要。価格低下と高機能化が進むブロードバンド・ルーターを使った企業ネットの設計,構築,運用のポイントを解説する。

 本社と中小拠点間のトラフィックが急増し,フレーム・リレーやダイヤルアップ接続では手に負えない――。こうした状況に直面している企業がコストをかけずに対処する方法がある。ADSLFTTHなどのブロードバンド回線を使ったインターネットVPNである。ただし,ネットワーク設計に工夫が不可欠。また,機器の選択にも注意しなければならない。

接続事業者の統一が安心
固定アドレスで安全性確保

低コストでセキュリティを確保する場合,VPNクライアント機能を備えたブロードバンド・ルーターの活用が現実的。その際,管理のしやすさを考慮して,インターネット接続事業者(プロバイダ)を統一したり,固定IPアドレスを使えるメニューを選ぶなど,サービスの選択に注意が必要だ。

 製造業のA社は,全国30カ所の事業所から本社の基幹業務システムへアクセスするためのネットワークにADSL回線を導入した。目的は,基幹業務システムを事業所から利用した際のレスポンスを確保することである。

IP-VPNや広域イーサは高い

 それまでA社は,各事業所をフレーム・リレーで結ぶネットワークを運用し,64kビット/秒の帯域にすべてのデータを統合していた。しかし,情報系トラフィックが急増し帯域を圧迫し始めたため,事業所での通信環境が悪化。急いでネットワークを増強する必要に迫られた。

 同社が採用したのは,各事業所のアクセス回線にADSLを使い,インターネット経由で本社とVPN通信をする方法だった。検討段階では,IP-VPN広域イーサネットという企業向けサービスを利用する案もあった。しかし,これらのサービスは,通信コストが従来より高くつくことがネックとなり,採用をあきらめた。