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 ADSL(asymmetric digital subscriber line)回線サービス事業者のイー・アクセスが,xDSLサービスを使うエンドユーザーが容易にアクセス先のインターネット接続事業者(プロバイダ)を切り替えられるようにする新メニューを検討していることが明らかになった。詳しい内容やサービス開始時期などは未定である。

 同社はxDSL回線をプロバイダにリセールする卸売り業者。既にニフティが同社のADSL回線を使うインターネット接続サービスを試験提供中。10月1日にはNECも,「BIGLOBE」の足回りとしてイー・アクセスのADSLを加える予定である。

 現時点でも,イー・アクセスが提供するADSL回線を使ってインターネットにアクセスするエンドユーザーは,複数のプロバイダと契約可能である。だが,現在の方式でプロバイダを切り替えるには,ADSLモデムの設定をその都度変えなければならない。

 ADSLサービスは一般に,プロバイダやユーザーに関する情報をルーター内蔵ADSLモデム上に設定する「ルーター・モード」と,パソコン上に設定する「ブリッジ・モード」とに分けられるが,現在は,ルーター・モードしか提供していない。

 イー・アクセスが,新メニューとして検討しているのは,後者のブリッジ・モード。エンドユーザーが簡単にプロバイダを切り替えられるようにするほか,NAPT(network address port translation)に対応しているネットワーク対戦ゲームなどを利用できるようにする。

 具体的は方法としては,以下の二つを検討中である。一つは,「PPP over Ethenet」(PPPoE)と呼ぶプロトコルを使う手法。ユーザー宅のパソコンとNTT収容局に設置したDSLAM(DSL access multiplexer)との間でイーサネット・フレームを透過的に伝送できるようにし,その上で認証や接続先プロバイダなどのユーザーごとの情報をやり取りするためにPPP(point-to-point protocol)を使う。

 パソコン上に装備したPPPoE対応ソフトを使うことで,エンドユーザーはパソコン上で簡単に接続先プロバイダを切り替えられる。PPPoEは,インターネット関連技術の標準組織IETFが標準化済み。アライドテレシスなどが,既にPPPoEに対応したルーターを出荷している。

 もう一つは,USBに対応したADSLモデムを使う方法。ADSLモデムをUSBでつなげたパソコンから,ADSLモデムを電話回線用モデムと同じ操作で利用できる。例えばWindowsパソコンの場合,「ダイヤルアップネットワーク」を使って,接続先のプロバイダの切り替えが可能になる。

 イー・アクセスは「まだ検討中の段階」としながらも,「将来的には,現在のルーター・モードのサービスを主に法人向けメニューとして提供し,個人向けにはブリッジ・モードを新たな主力メニューとしたい」としている。

(米田 正明=日経コミュニケーション)