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狙い:受発注業務の合理化と在庫管理の徹底
コスト:開発コストは未公表。開発期間は12カ月
IT:NECの「EDI Server」を採用。ネットワークにはVPNを活用

自動車用ワイヤーハーネス大手の住友電装は、部品メーカーなど調達先と資材の受発注情報をインターネットでやり取りするウェブEDI(電子データ交換)システムを拡充する。新システムでワイヤーハーネス用部品の発注や納期回答、出荷情報などを電子化して、受発注作業を合理化する。

 2000年内に国内約100社の調達先と新システムで接続し、金額ベースで約8割の受発注をカバーする。その後順次200社程度まで広げ、2001年度には海外にも拡大する。

 将来的には、開発中の国内外拠点における部品在庫情報システムとも連動させて、拠点間で在庫を融通し合えるようにし、最適な調達体制を構築する。最終的に部品在庫の半減と、自動車メーカーから求められている3日以内の納品を完全に実現する体制を目指す。

 住友電装は従来、国内約50社の調達先との間でVAN(付加価値通信網)を使ったEDIシステムを稼働させていた。しかし、初期投資がかさむなどの理由で中小規模の調達先に導入が進まず、新しい情報項目を加えるときにも対応が難しいなど、拡張性に問題があった。通信コストも年間3000万円に達していたという。

部品の納期、出荷情報などをネット上で確認できる

納期確認など大幅に合理化

 住友電装は国内21社、海外45社の関連会社を持ち、ワイヤーハーネスなどの大半を海外で生産している。北米ではウェブEDIが普及しており、新システムはこれに対応すると同時に、「安価に導入できることから、国内の中小調達先にも展開しやすい」(伊藤仁志・情報システム部長)と判断した。

 新システムはまず、関連会社や提携企業の生産拠点からの部品の発注をオンラインで住友電装に集約し、それを調達先に割り振ってインターネット経由で送信する。調達先は発注データを受け取ると、納期や出荷情報をインターネットで回答する。

 これにより納期確認など受発注に伴う作業を大幅に削減できる。従来は受発注・納期情報を電話とファクシミリでやり取りしており、人手がかかるとともに通信費もかさんでいた。

 新システムでは住友電装だけでなく関連会社などの生産拠点でも納期情報を閲覧できるため、「どうしても納期の調整が必要な場合だけ連絡を取り合えば済む」(部品事業本部の河上敏雄・計画部長)。発注、納期確認に使う書類は約90%減らせるという。

自動車業界の標準EDIにも対応

 新たなウェブEDIシステムはNECの「EDI Server」を採用した。パッケージ・ソフトを利用することで開発期間を短縮することを狙った。EDIの国際標準規格であるUN/EDIFACTへの変換も可能で、今後のグローバル展開にも柔軟に対応できるという。

 住友電装と部品調達先との通信は、国内自動車業界のEDIシステムの標準になるJNX(ジャパン・ネットワーク・エクスチェンジ)に対応できるようにVPN(仮想私設網)を利用し、セキュリティ確保と通信コスト削減を図った。

花澤裕二 hanazawa@nikkeibp.co.jp