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狙い:2001年内に部品在庫を半分に、商品在庫を3分の1に削減する
コスト:約200億円
IT:独SAPのSCMソフト「APO」やR/3を各拠点に導入

シャープは、グローバルな規模でサプライチェーン・マネジメント(SCM)を推進し、2001年中には全商品の在庫を販売会社なども含めて3分の1に、国内製造拠点の部品在庫は半分に削減する。このため各事業部の基幹業務システムを刷新するほか、SCMソフトを導入して需要予測の精度を向上させたり、月次で処理している生産計画や物流計画も毎週、迅速に見直せる新システムを構築中。投資額は200億円に上る。

 すでに国内では、99年11月にオーディオ事業部門で新システムが稼働しており、今年1月に通信事業部門でも新システムに移行した。今後は4月に家電事業部門、6月にAV(音響・映像)事業部門、9月にはパソコン関連の事業部門でも稼働させるなど、年内には国内拠点の導入を終える。並行して海外拠点に展開し、来年前半に全世界の拠点で稼働させる。

シャープは主にSCMソフト「APO」の需要予測の部分に修正を加えた

計画立案は各事業部に集中

 新システムの稼働後は、まず過去3年間の販売データに宣伝やキャンペーンなどのデータを加味し、各商品の機種や地域ごとに3~4カ月間の需要を予測する。これを最新の販売データで毎週ごとに見直し、海外の場合は商品の輸送日程などを考慮しながら、翌週の生産計画などに反映させる。量販店などからはPOS(販売時点情報管理)データをもらう代わりに、生産計画などを考慮した正確な納期回答を知らせる。

 現在は、販売会社や本社の営業部門、各事業部で別々に販売や在庫の動向を見ながら生産計画などを立案しており、調整作業などに時間がかかっている。そこで新システムの稼働をきっかけに社内体制を見直し、こうした業務を各事業部に一本化して意思決定を迅速化する。「販売会社は営業活動に専念させ、在庫責任は各事業部に持たせる」(赤穂谷住蔵・情報システム推進本部長)。

 すでに99年8月から約1000社の部品メーカーとインターネットで結んでおり、今後は需要予測の数値を順次公開。発注予定を事前に知らせ、部品の効率的な納入体制につなげる。このほか、会社的に部品を標準化したり部品表を統一するなど設計手法も見直した。

SAPの「APO」日本語版を導入

 SCMを推進するため、98年4月に本社の経営企画部門が中心になって全社プロジェクト・チームを発足。さらに各事業部に専任のプロジェクト・チームを配置するなど、全体で100人規模の体制になった。現在は各チームメンバーを本社の情報システム部門に移管し、開発を急いでいる。

 独SAPのERP(統合業務)パッケージ、R/3を全拠点に展開して製造や販売、物流システムを再構築しているほか、同社のSCMソフト「APO」を導入中。開発に際してシャープは、APOを短い商品サイクルの需要予測に対応できるように、修正を加えている。

大山繁樹 ohyama@nikkeibp.co.jp