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狙い:乳製品の品ぞろえ強化によるカテゴリー全体の売上高増
コスト:未公表
IT:国勢調査や販売情報を分析するツールを自社で開発

雪印乳業は、居住者の年代や家族構成といった商圏特性に合わせて小売店における乳製品の品ぞろえを立案できるシステムを開発。店舗ごとに最適な売り場作りを提案することで、売り上げ向上の成果を上げていることを明らかにした。

 「スーパーナビ21」と呼ぶ新システムは、店頭における商品の構成比や陳列方法を立案する「カテゴリー・マネジメント」の一環。牛乳やチーズなどの乳製品を拡販するのが狙い。

 99年春から、小売りチェーン8社の店舗において実験したところ、乳製品全体の市場が前年より数%落ち込んだにもかかわらず、乳製品の品ぞろえを見直した店舗の月間売上高は他社製品も含めて前年同期比で6~7%増える効果が上がった。そこで2月から、このシステムによる売り場作りの対象を約50チェーンに拡大した。雪印乳業はこうした小売り支援策を通して、減少傾向にある乳製品の売り上げを底上げしていく。

商圏の変化を小売りに代わって把握

商圏特性に合わせた品ぞろえを支援

 小売りチェーンは、新規出店する際には商圏特性を詳細に調査するが、それ以降は継続して調査していないのが実情だ。このために出店から数年が経過すると、店側が認識している商圏特性と実態がかけ離れてしまう問題があった。

 スーパーナビ21は、パソコン画面に表示した地図上で地域を指定すると、居住者の所得や年齢、家族構成といった地域特性を小売店の商圏ごとに算出。これらに応じて、牛乳やチーズといった商品ごとに売り上げ構成を予測する。小売店はこれと、自店の販売実績を比較すれば、品ぞろえの改善点を見つけられる。

 これにより小売店は、消費者のニーズに合わせた品ぞろえが可能になる。加えて、ニーズがあまりない商品の仕入れ数量を減らして、廃棄ロスを削減できる。

売れ行き左右する要因で予測

 商品ごとの売り上げ構成を予測するためにまず、乳製品を商品ごとに8~9種類に細かく分類した。例えばチーズならば、「トースト・サンドイッチ用」や「おつまみ用」といった具合だ。

 さらに、国勢調査や家計調査といった外部から購入したデータを独自に分析。「高齢世帯においては、『カルシウム強化牛乳』を購入する頻度が高い」といった仮説に従って、商品ごとに売れ行きに及ぼす影響が大きい要因を6つずつ定義した。

 牛乳を例にとると、「35~49歳女性人口構成比」や「4人以上世帯構成比」などの要因が、その売れ行きに深い関係を持っているという。システムは、こうした要因を商圏ごとに自動的に集計して売り上げ構成を予測する。

 商圏特性の集計や、商品ごとの売り上げ構成比を予測する機能は自社で開発した。投資額は未公表。

力竹尚子rikitake@nikkeibp.co.jp