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狙い:中小規模の卸や販売店との取引を電子化し、業務を軽減
コスト:キッコーマンは非公表。アサヒビールの投資額は6000万円
IT:NECとキッコーマンが共同開発し、BIGLOBEのネットワークを活用

 キッコーマンは3月から、ウェブEDI(電子データ交換)による受発注システムの利用を開始した。中小規模の特約店(卸や販売店)にEDI取引を普及させ、受注の精度を高めるとともに、受注入力などの業務を効率化するのが狙い。今年中に50社との取引をウェブEDIに切り替える。

 キッコーマンはこれまで、約600社ある特約店のうち200社とVAN(付加価値通信網)経由のEDIで、300社とはFAX-OCR(光学式文字読み取り装置)やファクシミリを使って、それぞれ受発注情報をやり取りしていた。

 しかし、FAX-OCRの読み取り精度に限界があり、データのチェックや入力に人手がかかっていた。一方、EDIで取引を実施している卸との間でも、ファクシミリでやり取りする場合もあり、サプライチェーン全体を効率化するには、互いの受発注業務を省力化する必要があると判断した。

 「2003年をメドにウェブEDIによる受注をすべての受注件数の3割に高め、取引額の8割を電子化する。データ入力の人員を1割削減する」(福島清允・物流部長)という。

アサヒビールも導入を予定

卸からの発注はBIGLOBE経由で各社へ

 新システムは、キッコーマンがNECと共同で開発した。にその際に他の食品メーカーから意見を集めるなどして、汎用性の高い仕組みにしたのが特徴である。キッコーマンは「1社が固有のシステムを作っていては非効率。食品業界でシステムを共通化すれば、導入の負担も軽く、普及が進む」(福島部長)と判断。NECが食品業界向けパッケージ・ソフトとして販売している。

 それに応じたアサヒビールは7月に、このシステムを導入する予定である。

 アサヒビールでは、卸との取引額に占めるEDIの割合は6割に達する。しかし、「将来は小売りとの直接取引も考えられるため、低コストのウェブEDIの導入に踏み切る」(杉山順一・物流システム本部物流システム部長)という。

 卸はアサヒビールのホームページからウェブEDIの画面にアクセスすることで、日々の注文を入力できるようにする。今年中に卸30社への導入を目標にしている。

食品業界共通のウェブEDIシステムへ

 このシステムを利用する食品メーカーは、NECのインターネット接続サービスであるBIGLOBEに受注用のサーバーを設置する。卸や販売店がアクセスして注文を入力すれば、BIGLOBEから自動的にメーカー各社の受注システムにデータが届く仕組みである。データを送信する際の通信手順は、日本加工食品卸協会(日食協)が提供する方式を採用した。

 アサヒビール以外にも大手ビール会社や製菓、清酒など10社前後の食品メーカーが関心を寄せている。今後はポータル・サイトを立ち上げ、複数企業の受注システムを利用できるようにする予定がある。食品業界における共通のウェブEDIシステムとして普及する可能性もありそうだ。

三田 真美 mmita@nikkeibp.co.jp