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狙い:予約段階のデータを分析して、売れ筋情報をいち早く把握する
コスト:98年度からの累計で、約100億円以上を投資
IT:330台のWindowsNTサーバーと4000台のWindowsパソコンを導入

 JTB(日本交通公社、本社東京)は2001年1月をメドに、基幹系システムを全面的に再構築する。まず会計・顧客管理システム「POPS」を改良して、予約段階の販売データを多様な切り口で分析できるようする。予約が集まっている旅行の行き先や価格帯といった「売れ筋」を素早く把握し、販促キャンペーンの企画に活用。支店の営業力をいっそう高めることが狙いだ。

 予約・発券システムであるTRIPS-Vについては、予約データを顧客単位で管理できるように改めて、急増している個人旅行者向け商品(FIT)の販売強化を図る。システム再構築に対する投資額は、98年度からの累計で、約100億円以上を見込んでいる。

気づき情報を店頭で入力可能に

基幹系システムを全面的に改良する

 現行のPOPSでは代金決済が終わった販売データしか管理していない。これを改良して予約段階のデータも管理して、支店が簡単な操作で分析できるようにする。この改良により、「今年の夏は、行き先はビンタン島、価格帯は8日間で20万~30万円、家族向け企画の予約が好調」といった売れ筋の傾向が旅行シーズンに入る前の時期で、把握できるようになる。

 この分析データと、従来からPOPSで管理している顧客ごとの販売履歴(旅行履歴)データを突き合わせることで、支店単位で実施している販促キャンペーンの企画に活用したり、ダイレクトメールのヒット率が向上できると期待する。

 新しいPOPSは、TRIPS-Vの端末からも簡単に呼び出せるようにする。このために店頭で旅行の予約を受け付けながら、「Aさんは、ペットと宿泊できるホテルを探している」といった、個別の顧客に関する“気づき情報”をその場で入力できるようになる。

 POPSの処理速度も大幅に高める。現行のPOPSはオフコンと専用端末で構成しており、旅行代金の見積もりや精算などの業務処理に時間がかかっている。このために「使い勝手が悪い」という指摘が支店などから相次いでいた。そこでWindowsNTサーバーと同98パソコンによるクライアント・サーバー型システムに変更することで、使い勝手を改良する。

個人旅行者向けの業務を簡素化

 TRIPS-Vシステムについては、航空券やホテル予約、鉄道チケットといった「パーツ商品」単位で管理する方式を改めて、顧客ごとに一括して予約を管理できるようにする。

 現在のシステムでは、例えば出発日が変更になると、航空券やホテルの予約データを別々のシステムから呼び出して1つずつ修正しなければならなかった。新システムでは、顧客単位で予約画面を一度に呼び出せるため、需要が拡大しているFITタイプの商品における予約の修正や追加が容易になる。

 「パッケージ旅行」の顧客においても、前泊用のホテル予約などパッケージに含まれていない商品も一括して扱えるため支店の予約業務は簡素化するという。

安倍 俊廣 toshiabe@nikkeibp.co.jp