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狙い:調達価格の低減と、調達業務の効率化
コスト:ネット調達のシステム構築で数千万円を見込んでいる
IT:パッケージ・ソフトを活用する。現在、主要な製品のなかから選定中

アサヒビールは7月から、原料と資材のインターネット調達に乗り出す。自社のウェブ・サイトで新規の取引先を募集するのに加えて、既存の調達先をネットで結んで効率的に見積もりを取れるシステムを構築する。

 さらにネットを通じて、自社の生産計画の変更を調達先に対して即時に提示する仕組みを整える。これを使えば、調達先は原材料の生産計画を立てやすくなる。

 新システムを構築した狙いは、調達先の候補を増やして、購入価格の低減を図ること。これまでは、見積もりを取るのに手間がかかるため、調達先をある程度絞っていた。これに加えて、麦芽のように1年分をまとめて売買契約を結ぶ原料もあった。

 7月から麦芽と重油の一部についてネット調達を始め、来年以降、ホップやビン、缶などに対象を広げる。5年後をメドに、すべての原料と資材についてネット調達を適用する考えだ。

原材料の種類によって3つに分ける

原材料を3 種に分けて調達の仕組みを変える

 アサヒビールは原料や資材を特性に応じて3つに分けて、それぞれに対してネット調達の方法を定めた。

 1つ目は、調達先によって品質にばらつきがあるもので、麦芽やホップなどの原料が該当する。これまでは毎年秋に調達先30社と交渉して、1年分の調達先と価格を決めていた。

 それを7月からは、一括して売買契約を結ぶ量を9割にとどめる。残りの1割は毎月、ネット経由で、品質を重視して見積もりを取り、調達先と価格を決める。これにより、相場や需要の変動に柔軟に対応できるようになるという。

 2つ目は、重油のような調達先に関係なく品質がほぼ一定のもの。現状では重油は、見積もりを取るのに手間がかかるため、工場ごとに調達先を最大8社に絞っている。7月からはネットによって効率的に見積もりを取れるようにして、調達先の候補を15社以上に増やす。

 3つ目は、調達先を競争させるよりも、密接な協業体制を敷くほうが重要なもの。ビンや缶などが、これに該当するという。現状では、毎月中旬に翌月の生産計画を調達先に提示している。ネットを使うことで、生産計画を見直した時点で調達先に伝えられるようにする。

パッケージを使い、数千万円で構築

 新システムは、調達先がウェブ・ブラウザを使ってインターネット経由でアサヒビールのサーバーに接続する仕組み。

 システムの開発に、パッケージ・ソフトを利用する。使用するソフトは現在、主要な製品の中から選定しているところだ。「比較的単純な仕組みなので、1カ月間でシステムを構築できる」(名倉伸郎・生産本部購買部長)という。開発費用として、数千万円を見込んでいる。

中山秀夫 hnakayam@nikkeibp.co.jp