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狙い:600人の営業担当者全員で商談情報を徹底共有する
コスト:ノートパソコン導入やシステム開発で約2億円
IT:指紋認証装置を内蔵したノートパソコンを全員に配布

 イトーキは2000年12月、約600人の営業担当者を対象にした営業支援システムを稼働させる。企業のオフィス投資が回復基調にあるなかで、攻めの営業体制を強化するのが狙い。全員にノートパソコンを配布し、顧客との商談情報などを営業担当者全員が共有できるようにする。

 指紋認証装置を内蔵するノートパソコンを採用したのが目新しい。「セキュリティ面での信頼度向上と、社員の手間の軽減につながる点を評価して導入を決めた」(黒瀬信夫・執行役員情報システム部長)。情報システムのユーザー管理に、これほど大規模に指紋認証方式を取り入れた例は珍しい。投資額は約2億円に達する。

営業部門の総力戦を下支え

 イトーキの営業部門は現在、地域別と商品別に担当者を分けて活動している。例えば北海道のある銀行の支店が自動貸金庫を設置するという案件に対しては、その地域と貸金庫それぞれを専門に担当する営業員が顧客を訪れて、中身の濃い商談で受注につなげることを狙っていた。

 しかし、従来は地域担当と商品担当との間で情報共有が不十分で、なかなか足並みがそろわなかった。そこで営業担当者全員が日々の活動内容などをモバイル環境で共有。本格的な商談に発展しそうな顧客に、営業部門が一丸となって早期から食い込める体制を整えることにした。

 同社はこれまでも一部地域で、ノートパソコンや電子手帳を使った営業支援システムを試験運用してきた。しかし、外出先から社内ネットワークに接続する際の社員の手間がかかることから、全国展開は時期尚早と判断してきた。例えばPHS経由で接続するには、通信料を抑えるために営業担当者は最寄りのアクセスポイント(接続拠点)を逐一選択する必要があった。複雑なパスワードを記憶するとともに、接続時にいちいち入力するのも大変だった。

 今回、指紋による個人認証や全国一律のネットワーク接続サービスなどの利用で、こうした問題を解消するメドをつけて全国展開に踏み切った。

手間の軽減に新技術を積極採用

 指紋認証装置を内蔵したNECのB5判ノートパソコンのVersaProを採用した。センサーに指を触れると数秒で指紋の個人認証が終わるので、従来のようなID(識別符号)やパスワードは不要になった。

 出先から社内ネットワークに接続するには、NTTコミュニケーションズ(本社東京)が提供するネットワークサービス「RALS」を使う。パソコンからPHS経由で接続する際に、全国どこからでも同一番号、一律料金である点を評価した。

 顧客との折衝履歴などの営業情報はオラクルのデータベースOracle8iに蓄積する。ノートパソコンとサーバーのデータベースとの間でデータを同期させるために、オラクルの新技術「Web-to-go」を採用した。

川上 潤司 junji@nikkeibp.co.jp