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狙い:技術情報の共有徹底で、開発工程の短縮とコスト削減を図る
コスト:初期投資としてハードウエアに約2200万円、ソフトウエアに約1800万円
IT:開発ツールにdbMAGICを採用。約10台のNTサーバーで運用

 車載用のオーディオ製品やナビゲーション・システムなどを製造する富士通テン(本社神戸市)は、製品の企画から設計、調達といった一連の開発工程を情報共有で支援するPDM(プロダクト・データ・マネジメント)システム「APROS」を2001年度中をメドに完成させる。

 カーナビ分野は競争が激しく、新製品の投入サイクルが短くなっている。さらに今後はITS(高度道路交通システム)の本格化に合わせた製品開発も重要になることから、各社は開発工程の効率化に力を注いでいる。

 富士通テンは本社や国内外の工場などに在籍する約1500人の製品開発担当者が、技術情報を効率よく共有できる環境を整備。「複数の開発工程を並行して進めることで素早く開発できる体制を整える。コスト面では全体で年間2億円程度の削減を目指す」(技術情報システム部)。投資額はハードとソフト合わせて約4000万円。

仕様変更の波及範囲も迅速に把握

 開発作業の生産性を高めるには、企画や設計、調達などの部門が密接に連携して、それぞれの作業を同時並行で進める必要がある。しかし従来は電話や紙文書、会議による情報伝達が中心で、伝達ミスによって設計に手戻りが生じていた。さらに、他部門が設計する部品の仕様変更があると、自分が担当する図面のどれが影響を受けるかを特定するのに多大な時間がかかった。

 APROSでは、1つのデータベースで関連情報を集中管理。担当者がウェブ・ブラウザで最新情報を確認できるようにして、設計・開発に必要な情報を洩れなく共有できる。

 APROSは4つのシステムで構成する。製品の構成部品ごとにCAD(コンピュータによる設計)データを一元管理する「技術情報共有システム」、仕様変更の際に波及範囲を洗い出す「設計変更システム」、図面を承認して全社に公開する過程をワークフローで支援する「図面発行システム」、プロジェクト全体の進ちょくを把握して担当者別の負荷を平準化する「出図管理システム」である。

 これにより、例えばカーナビの設計時には、詳細な回路設計が完了しなくても外形寸法が決まった時点でプリント基板を業者に発注したり、設計作業が遅れ始めた部門を早期に洗い出して人員を増強するといった柔軟な対応が可能になる。

dbMAGIC使い6人で社内開発

 APROSの開発にはマジックソフトウェア・ジャパン(本社東京)のプログラミング・ツール「dbMAGIC」を採用した。技術情報システム部の6人が開発する。データベース・サーバーやアプリケーション・サーバー、ユーザーからのアクセス要求を分散させるサーバーなど、10台の機能別サーバーを連携させてシステムを運用する。サーバーのOS(基本ソフト)にはWindowsNTを採用した。

川上 潤司 junji@nikkeibp.co.jp