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狙い:販売実績や在庫データを売り場が把握。追加生産などをスピードアップ
コスト:パソコン4000台の新規導入など全体で数億円
IT:マイクロソフトのExchange 2000、デジタルダッシュボードなど

 西武百貨店は2001年1月に業務システムを全面的に刷新する。顧客管理や在庫管理などすべての業務システムをイントラネットに乗せ、社内ポータルから自由にアクセスできる環境を整える。

 婦人服や雑貨などの売り場に約4000台のパソコンを新たに設置。社内ポータル経由でリアルタイムに販売実績や在庫状況を確認できる。売れ筋商品の在庫が少ないときに、即座に追加生産を指示したり、在庫を他店舗との間で迅速に融通し合えるようになる。

 特に、利益率の高い自社企画商品のサプライチェーン・マネジメント(SCM)の強化に生かすことを狙っており、同社の売上高営業利益率を、現在の約2%から欧米百貨店並みの7%程度に高めることが大きな狙いだ。

 新システムは、マイクロソフトのサーバーソフトであるExchange2000 Serverに業務システムのデータを集約。社内ポータルとして利用する「デジタルダッシュボード」からアクセスする仕組みだ。百貨店でデジタルダッシュボードを導入するのは西武が初めて。投資額は数億円の見込み。

取引先ともネット経由でデータ共有

 西武が展開する自社企画商品「SP 21」は、委託販売のNB(ナショナル・ブランド)商品に比べて、販売計画や追加生産を西武の権限で自由に決定できる。

 しかし、これまでは販売実績や在庫数量を店舗のバックヤードに設置したパソコンから前日までの分しか把握できなかった。パソコンの数も少なく、追加生産などの指示が後手に回ることが多かった。

売り場から「デジタルダッシュボード」経由でリアルタイムに在庫状況を確認[図をクリックすると拡大表示]

 新システムが稼働すれば、社員は売り場にいながら、手の空いた時間に自分のパソコンから、最新の実績を閲覧することができる。在庫状況などを確認して、商品本部に追加生産を依頼できる。

 さらに、商品を共同企画している帝人などの繊維メーカーや製造委託工場向けのポータルサイトもイントラネット上に構築する計画だ。

 「取引先にも、ポータルサイト経由で在庫の実績データなどを提供していく。生産量や追加生産の決定に生かして、共同でサプライチェーン改革を進めていく」(情報システム部の高木哲実部長)。

自社企画商品のシェアを20%に

 自社企画商品は、値引き販売を実施した後の最終的な粗利率でも48%と、西武にとって極めて利益率が高い有望商品だ。

 2000年9月から13ブランドを展開しており、2000年末時点には売上高全体の8.1%を占めるまで成長している。新システムの活用によって、これを20%程度まで拡大。百貨店全体の利益率を一層向上させる計画だ。

安倍 俊廣 toshiabe@nikkeibp.co.jp