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狙い:顧客から集めた声を、営業だけでなく商品開発までの広範囲に活用する
コスト:非公表
IT:自社で開発。検索ソフトにジャストシステムのCBSerachなどを採用

 富士ゼロックスは今年から、商品への要望や関心事といった顧客から集めた声を共有する情報システムの活用を強化する。

 顧客の声を生かした営業提案により、顧客満足度が向上するなどの成果が一部の支店で上がっているため、これを全社に展開する。顧客のニーズを先取りした営業提案や商品開発につなげて、ナレッジ・マネジメントをさらに推進する考え。

 富士ゼロックスは、98年から全国の支店を統括する東京、大阪の両支社で、「武蔵」、「VOC(ボイスオブカスタマー)」と呼ぶ顧客情報システムをそれぞれ構築している。営業担当者は日々の活動で気づいたことや顧客の反応、商品へのクレーム、関心のある経営テーマといった様々な情報を入力。集めた情報から顧客ニーズを把握し、営業戦略の立案や営業提案力の強化に生かしてきた。

 こうした動きと並行して、99年から順次、2つのシステムをお客様相談センターをはじめとする部門で構築している顧客情報データベースと連携。営業から開発まですべての社員が、顧客からの意見やクレームをイントラネットで参照できるようにした。

 しかし、システムの整備が進む一方で、部門や支社間で情報活用にばらつきがあるため、全社レベルで顧客情報の活用を推進する。顧客の声を営業提案力の強化だけでなく、商品の改良や新製品の開発など、幅広い業務において生かせるようにする。

顧客満足度向上などの成果

 顧客情報の活用は、西日本支社が先行している。なかでも神戸支店は毎月VOCを使って、主要な顧客の経営トップからの具体的な要望や営業提案への反応を分析して、成果を上げている。

 例えば営業提案の場合、OA機器と組み合わせた文書管理やデータ・ウエアハウスといったシステムの提案に対する反応を抽出。それを基に、提案内容の評価を検証して、月ごとの販売戦略を見直す。これにより、システム導入前と比べて顧客満足度が向上したほか、顧客が競合他社へ流れる割合も低下。売り上げの向上につながったという。

 さらに西日本支社では、営業担当者の情報提供に対する意欲を高めつつ、顧客からの声を商品の改良につなげる取り組みを始めた。1月から知識活用を推進する部門であるナレッジ・センターが、毎月、有益な情報を提供した営業担当者を2~3人選抜。面識のない技術担当者に対して、現場で日ごろ感じている顧客の反応を直接伝える会議を、毎月1回開く予定だ。

専任者がクレーム情報を分析

 VOCシステムは、4万2000件のデータを蓄積し、毎月約3000件の新規情報が加わっている。昨年12月には、利用者が必要な切り口で情報を検索できるようにした。商品改良につなげるため、新しいクレームが届くとその内容を抽出して画面に表示する。西日本支社はクレームを分析する専任担当者を1人置き、関連する部門の責任者に素早く伝えるようにしている。

 VOCシステムは自社で開発。検索ソフトはジャストシステムのCBsearchなどを採用。来年をメドに顧客名やキーワードを入力するだけで、各拠点のデータベースから関連する情報を同時に引き出せる新しい検索システムを開発する予定だ。

三田 真美 mmita@nikkeibp.co.jp