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狙い:取引先が在庫を削減できる仕組みを導入して、受注獲得につなげる
コスト:サーバー購入費とシステム構築費として約5000万円
IT:XML(拡張可能なマークアップ言語)に対応

 伊藤忠商事は4月から、自動車部品の輸出ビジネスにおける顧客サービスを強化する。伊藤忠を通じて部品を発注した海外の自動車メーカー向けに、注文した部品の出荷や輸送状況など最新情報を専用ウェブ・サイトで提供する。

 現在、自動車部品の輸出ビジネスはほとんど電子化されていない。そこで伊藤忠は部品取引を仲介するだけでなく、出荷情報などを電子化して、海外メーカーの利便性を高めることで、新規取引先の開拓や取扱金額の拡大を狙う。

 約5000万円を投じて、専用サイトは「INFIMeX.COM」を構築した。部品メーカーや自動車メーカーに利用を呼びかけている。すでに韓国の大手自動車メーカーの起亜自動車や、国内部品メーカーなど6社がこのサイトの利用を決めたという。伊藤忠は2003年末までに100社にまで増やすことを目標にしている。

系列外取引の普及が追い風に

 伊藤忠から発注の指示を受けた部品メーカーは商品を出荷すると、数量などのデータをINFIMeX.COMに登録。部品メーカーから管理を委託された倉庫業者は入出庫時に、数量などのデータを送信する。これによって海外の倉庫業者も同様の作業を行う。自動車メーカーはINFIMeX.COMで注文した部品がいつ工場に届くかを常に把握できるため、無駄な在庫を保有する必要がなくなるという。

 最近、納期や価格などの条件さえ合えば、系列外の部品メーカーに発注する動きが、国内外を問わず自動車メーカーに広がっている。伊藤忠はこうした現状を踏まえて、「日本の部品業者は技術力が高い。部品の輸送状況が把握できるサイトを開設すれば、海外メーカーとの取引を増やせる」(中国支社・自動車課の東條秀明氏)と判断した。

XMLに対応するサーバーを導入

 伊藤忠は将来的にこのサイト上で、自動車メーカーと部品メーカーがウェブEDI(電子データ交換)で取引情報をやり取りできるようにすることも検討している。このため、自動車業界がEDIを実施する際に利用する通信ネットワーク「JNX」と連携した。これによって伊藤忠の顧客は、JNXに参加する企業と取引することが技術的に可能になる。

 現在、トヨタや日産などの自動車メーカーや、デンソーやアイシン精機といった大手部品メーカーがJNXを利用している。伊藤忠はこうした業界の有力企業とINFIMeX.COMを通して取引できるようにすることで、系列外取引を進める国内の部品メーカーを取引先として開拓する考えだ。

 システム開発はベイテックシステムズ(本社東京)が担当した。取引先からの情報を受け取るEDIサーバーソフトには米マイクロソフトのBiztalk Server 2000を採用し、XML(拡張可能なマークアップ言語)に対応できるようにした。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp