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狙い:欠品を減らしつつ、在庫を2割削減する
コスト:ハードとソフトの開発費、導入費を合わせて30億円
IT:店舗と本部間を常時接続のネットワークで接続

 家電量販店チェーン最大手のコジマは約30億円を投じて、全店舗に新POS(販売時点情報管理)システムを導入する。同時に、本部と常時接続するネットワークの展開を進める。新システムはすでに数十店に設置済みで、8月中旬にはネットワークも含めて全店舗(3月16日時点で224店)への配備を完了する予定である。

 システム導入の狙いは、各店舗の在庫情報をリアルタイムで共有することにより、店舗間で在庫を共通化すること。現状では1日に1回の頻度で各店舗から在庫データを本部に吸い上げているため、店舗間の在庫移動や本部での追加発注が迅速に実施できていない。

 新システムによって「欠品を減らしつつ、在庫量を2割削減できる」(小島章利専務)という。

 併せて物流体制の見直しを進めており、今年夏をメドに新しい仕組みに切り替える。現状では顧客に販売した店舗から配送しているため、商品が欠品しているときには、他店から取り寄せるまでの時間とコストの無駄が生じている。

 新体制では、届け先の近隣店舗の在庫を検索して、最も早く届けられる店舗から直接配送する。

ネット販売をテコ入れ

 新システムの導入効果は、在庫の共通化にとどまらない。各店舗の販売実績をリアルタイムで共有することで、「他店における午前中の売れ行きを見て、午後には店長が店頭の商品陳列や販売価格を変えられるようにする」(小島専務)。

 年商7億円と低迷しているネット販売のテコ入れも図る。3月に、新POSシステムを導入した店舗において、顧客がネットで注文した商品の受け渡しや返品・修理の受け付けを始めた。

 さらに今後、ネット販売の顧客が商品の自宅への配送を希望した場合に、在庫のある最寄りの店舗を検索して配送する体制にする。現状では顧客宅での設置を伴う大型家電を除いて、栃木県の配送センターから全国の顧客に配送している。

共用ネット利用してコスト軽減

 新POSシステムのサーバーには、NEC製のホストコンピュータを採用。店舗のサーバーはWindowsNTを搭載したパソコンをベースに、日本オラクルのデータベース管理システムなどを使って独自に開発した。開発作業の一部は、NECに委託した。

 各店舗と本部を結ぶ情報ネットワークはセキュリティを重視して、インターネットそのものではなくインターネット・プロトコル(通信手順)が使える共用のネットワーク・サービスを利用。仮想的な専用網を構築する。それでも通信費を月額で数百万円に抑えられる見通しで、「ISDN(総合デジタル通信網)を使っている現状と比べてそれほど上昇しない」(小島専務)という。

中山秀夫 hnakayam@nikkeibp.co.jp