家電販売大手のラオックスは今年秋をメドに、物流体制を見直す。卸などから仕入れる家電製品やAV(音響・映像)機器といったすべての商品を自社の物流センターに集約し、そこから各店舗に一括配送する仕組みに切り替える。店舗における検品作業を大幅に削減して、販売員の接客時間を増やすのが狙いである。

 社内のプロジェクトチームが詳細を検討しており、内容が固まり次第、物流システムを刷新する方針だ。

物流センターにすべての商品を集約

 ラオックスは需要予測に従って、定期的に商品を卸などに発注している。この場合、商品は物流センターを経由したあと、地域ごとの物流拠点で在庫として持ち、必要に応じて店舗に届けている。

 ただし、需要予測を見誤り、物流拠点に在庫がない場合は、卸から商品が店舗に直接納品される。商品は別々の時間に納品されるため、販売員は1日に20回以上も検品作業をすることも珍しくない。

 新体制では、こうした商品も物流センターに集約する。店舗は物流センターに注文データを送信し、それをまとめて卸などに発注する。

 物流センターに届いた商品は、地域ごとの物流拠点で店舗別に仕分けしたあと、店舗が込んでいない時間帯に配送する。そのために店舗への納品は1日1回で済む。検品作業を減らせるため、接客に多くの時間を割けるようになるという。

 家電販売業界ではこのようなセンター納品が一般化しつつあり、ラオックスもそれに追随し、販売員の生産性向上を目指す。

 すでに子会社の庄子デンキ(本社仙台市)が、今年5月から物流センターを利用した一括配送を開始している。この結果を踏まえたうえで、この方式を採用するかを決める。

 その際には、首都圏に4カ所ある物流拠点だけでは商品の保管スペースが不足するため、新たに4カ所程度の拠点を設けることを検討するという。現在、埼玉県などを候補地としている。

情報共有システムも構築

 こうした対面販売の充実に加え、ダイレクトメールによる販促活動も強化する。顧客の趣味などの情報を基に、購入の確率が高そうな商品を紹介する。顧客が関心を持つ商品をタイムリーに薦めて、販促活動を効率化する。

 顧客情報を集めるため、購入金額に応じてポイントを与える会員制のポイントサービスを開始する予定。すでに商品の保証書やアンケートハガキを基にした顧客データベースを構築しているが、住所や大まかな購買履歴など限られた情報しか蓄積できていない。今後は細かく顧客情報を管理して、商品提案や販促活動に結びつけられるようにする。

 これ以外にも、社内情報を一元管理するシステムを構築する。社員が必要な情報を一元的に閲覧できるようにして、社員の生産性を高める考えだ。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp

記者の視点:家電販売業界は競争が激化し、各社はそろって販売力を強化している。ラオックスの取り組みは競合他社が一歩リードしているものが多い。こうしたライバルに対抗するには、より独自性の高い戦略が必要だろう。