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 三菱電機は11月8日、2001年度から2003年度までの情報システム中期計画を発表した。この3年間に、SCM(サプライチェーン・マネジメント)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)、EC(電子商取引)などの分野で、1500億円を投じて情報システムを抜本的に刷新する。

 新体制の特徴は、分野ごとに規範となるシステムを構築し、これをモデルとして水平展開していくこと。この新体制によって、人件費の削減や在庫圧縮による倉庫費用や調達コストの低減などの効果が見込まれ、毎年400億円のコスト削減につながるとしている。「波及効果といった根拠が薄いものではなく、対象となる事業部ごとに積み上げた確実な数字だ」(伊藤善文常務)。

ベストプラクティスを水平展開

 「e-Speed21」と名付けられたこの計画では、SCMやCRM、設計、生産管理、経理、人事など11分野に着目。総額1500億円のうち、1000億円を新規の情報システムの構築に充てる。

 まず、11分野ごとにモデル事業を策定。そこで練り上げた「ベストプラクティス」となるシステムを、他事業の同分野に展開する。2003年度末までに、全社への浸透を図る。事業部ごとにゼロから作り上げる手間を省き、低コストで完成させることが狙いだ。

 例えば、在庫圧縮やリードタイム短縮などを目標にしたSCM分野の改革では、FA(ファクトリー・オートメーション)機器事業と半導体事業をモデル事業に認定。FA機器事業では、2003年3月をメドにインバーターを中心に流通在庫を2分の1に圧縮することを目指す。同時に半導体事業では、2002年度上期までに全世界レベルで流通在庫を20%削減する。

 CRM分野では社内にある顧客情報を事業部の枠を超えて共有。統合した顧客データベース上で、それぞれの事業部が情報を収集・蓄積できる仕組みを構築する。ここでもFA機器事業がモデル事業になっている。

 このほか、設計分野では社内の全事業部が使える部品データベースを整備し、技術者向けの社内ポータルを構築。3次元CAD(コンピュータによる設計支援)システムを核に、解析から生産まで一貫して活用できる設計システムを構築する。携帯電話事業と宇宙システム事業がモデルとなって推進する。

グループ全体でシステムを統合

 今回打ち出した中期計画では、一部のシステムで適用範囲をグループ企業にまで広げている。経理分野では、国内101社と海外46社を含めたグループ全体の連結決算を速やかに算出できるように、グループを束ねる経理システムを構築する。三菱電機本体からインターネットやイントラネットを通して、関連会社向けに経理システムを提供するものと見られる。

 同様に人事分野でも、勤怠管理や出張旅費精算などの支援システムを刷新。ウェブ・ブラウザから利用できるシステムを構築する計画だ。

渡辺 一正 kwatanab@nikkiebp.co.jp