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 バイクを使った荷物の緊急配達サービスを手がけるダット・ジャパン(本社東京)は2001年11月1日に、GPS(全地球測位システム)を利用したバイクの運行管理システムを稼働させた。荷物を運ぶバイクが現在どこにいるのかをリアルタイムで把握し、顧客から荷物の配達依頼があった際に、荷物を回収する時刻を顧客に瞬時に回答する。GPSを使えば回収先から配達先までの距離も正確に計算できるため、距離に応じた配達料金を即座に提示できるという。

 ダット・ジャパンは常時、約400台のバイクを使って荷物を配達している。11月からは、すべてのバイクにGPSの受信機を搭載。バイクの現在位置は通信衛星を介して、1分間隔でダット・ジャパンに送られ、コールセンターのパソコンで確認できる。

 同社は、NTTドコモの子会社であるドコモ・マシンコミュニケーションズ(本社東京)が提供する、GPSを使った車両運行管理サービス「Docoです・Car」を利用。新システムを約1億円で構築した。

バイクの現在位置を自動探索

 コールセンターにいる約30人のオペレーターは荷物の配達依頼の電話を受けると、パソコンに荷物の回収先の住所を入力する。するとGPSがそこに最も近い場所で待機中のバイクを自動的に探し出し、荷物の回収に向かうのに必要な時間を瞬時に割り出す。そのため、オペレーターは、顧客に回収時刻を即答できる。「顧客との電話時間は、1件当たり数十秒で済ませられる」(穐田優一・情報企画室課長)。

 これまでコールセンターのオペレーターは顧客から荷物の配達依頼があると、そのつど、バイクのおおよその位置を常に把握している「配車担当者」からバイクの位置を聞き出し、そのうえで顧客に荷物の回収時刻を伝えていた。そのため、電話1件当たりに、1分以上かかっていた。

 ダット・ジャパンには通常、1日平均約2000件の配達依頼の電話がかかってくる。ピーク時には同5000件を超える。電話を素早く処理できれば、それだけ配達依頼を多く受けられるので、売り上げを伸ばせると判断した。

 GPSを導入すると、社内の配車担当者も3分の1に減らせる。バイクの配車業務はかなりの経験が必要で、ダット・ジャパンはこれまでベテラン社員6人を割り当ててきた。だがGPSの導入で配車業務のほとんどを自動化できるので、近く配車担当者を2人に減らす予定だ。

新しい通信手段を積極採用

 ダット・ジャパンは99年8月に、iモード携帯電話を使った配達員の業務管理システムを稼働させ、配達員とセンターとの通信費などを従来の7分の1まで削減した。大幅なコスト削減に成功したため、2001年6月には業界最安値の配達料金を打ち出し、競合他社を一気に引き離しにかかった。

 今回のGPS導入は、新しい通信手段を積極的に採り入れた業務改革の第2弾になる。

川又 英紀 hkawamat@nikkeibp.co.jp