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 日本マクドナルドは2001年11月、2002年中に展開を始める「ハイパフォーミング・レストラン(高効率店舗)」の実験を開始した。ハンバーガーなどの商品を作る厨房の従業員や、顧客から注文を受けて会計し、商品をそろえて渡すカウンター係の作業効率を向上させ、1人でも少ない従業員で店舗を運営できるようにしたり、顧客1人当たりの接客時間を短くする。

 「各店舗の売上高に対する利益率を約2.5ポイント引き上げる」(河上成美・営業本部レストランシステム開発部長)のが狙い。

携帯情報端末で注文を入力

 高効率店舗では、自動車に乗ったまま購入できる「ドライブスルー」での注文の受け方を変える。従業員は、シャープの携帯情報端末「ザウルス」を使って開発した携帯型のPOS(販売時点情報管理)端末を持って、順番待ちのドライバーのところに行き、その場でPOS端末に注文を入力する。注文内容はPOS端末の無線機能を介して、店内のPOSレジに送信される。

 これまでドライブスルーでは、従業員が紙の伝票を持って注文を取り、その内容をあとからPOSレジに入力していた。繁盛店のドライブスルーには1時間当たり最大約100台の自動車が並ぶ。「POSレジの再入力に1回10秒かかったら、1時間で合計1000秒のロスになる。それだけ待ち行列が伸びてしまう」(河上部長)。

 ドライブスルーの顧客は、一般の顧客より客単価が20%ほど高い。それは1回に注文する品数が一般の顧客よりも多いからだが、その分、商品を渡すまでに時間がかかる。「順番待ちの列を短くして機会損失を減らすために、1秒でも接客時間を短縮する」(同)。

 マクドナルドは4~5年前にも携帯型POS端末の試作機を開発したが、端末の費用が高すぎて実用化できなかった。ザウルスを使ったPOS端末は1台数万円程度なので、採算が合うという。すでに横浜市と川崎市にある2店舗で実験を始めている。

 一方、厨房やレジには、省力システムを順次導入する。例えば、POSレジに飲み物の注文内容を入力すると、自動的にでき上がる「オートドリンクシステム」を実用化する。1店舗でテストしており、「ピーク時のドリンク係を1人減らせそうだ」(河上部長)。

 フライドポテトを作る工程も一部を自動化する計画がある。ポテトは油の切り方や塩加減、袋詰めのスピードが、従業員のスキルによってばらつく。そこで「オートバギングシステム」を導入し、ポテトの袋サイズを指定すれば、簡単に必要なポテトを用意できるようにする。「繁盛店のポテト係も1人減らせるかもしれない」(同)。

袋の重さで中身をチェック

 ドライブスルーでの商品の受け渡し作業を効率化する「オートバッグシステム」の導入も検討中だ。ドライブスルー店舗ではピーク時に、従業員4人がチームを組んで接客にあたる。このうち注文を受ける人と会計する人、注文商品をそろえる人の計3人は減らせないが、「袋に詰めた商品が、注文通りにそろっているかを最終確認する仕事は自動化できると判断した」(同)。

 POSレジに入力した注文内容から算出した商品を入れた袋と、実際の袋の総重量を比較する。「食材の重さが統一されているので、重量比較の精度は高いと判断した」(同)。

 オートバギングとオートバッグは、2002年3月にも実験を開始する。

川又 英紀 hkawamat@nikkeibp.co.jp