花王製品の卸を手がける花王販売(本社東京)は4月、インターネットを使って、取引先である小売りチェーンの売り場作りを支援するシステム「コラボレーション・エクスチェンジ(CEX)」を稼働させた。

 デジタルカメラで撮影した売り場の写真を見ながら、花王販売と小売りチェーンの双方の担当者が、商品の品ぞろえや陳列方法、棚割りなどを確認したり、意見交換できる。現在、3つの小売りチェーンとテスト運用を開始している。

 花王販売は以前から、全国の小売りチェーン店舗を回る2000人以上の営業担当者「ストア・アドバイザー(SA)」が、デジタルカメラで担当店舗の売り場を撮影。イントラネット上に掲載してきた。SAは、これを参照して自分が担当している一チェーンの他店舗の売り場を確認。成功例を参考にしながら、自分の次の営業活動に役立ててきた。

 CEXは、イントラネットのコンテンツの一部を小売りチェーンも閲覧できるようにしたもの。ただし、イントラネットとは別にシステムを構築した。

計画の実践状況をチェック

 SAが売り場担当者に提案した品ぞろえや陳列が正しく実践されているかや、本部が立案したキャンペーンやプロモーションが売り場に反映されているかといったことを、関係者全員がCEX上で確認し合う。CEXには電子掲示板を用意してあり、関係者がコメントや指示を書き込む。

 花王販売は数年前から、POS(販売時点情報管理)データを分析して売れ筋を見極めたり、地理情報システム(GIS)を使って店舗の商圏や顧客層を把握。どの花王製品を、どの棚に、いくつ陳列すれば、どれだけ売れるかといった情報を、店舗の担当者に伝えてきた。小売りチェーンと二人三脚で売り場を作ってきたわけだ。

 ただし、これまでは、SAが店舗担当者にアドバイスした情報を、きちんと売り場に反映させているか、両者の本部担当者が共同企画したプロモーションが正しく展開されているかといったことを短時間でチェックしにくい状況にあった。そのため、売り場改善を徹底できないこともあったという。

 そこでCEXを使い、花王販売と小売りチェーンの関係者全員が同じ土俵に立って、売り場改善について話し合ったり、写真を見ながら意見交換できる仕組みを整えた。

業界VANからCEXを利用可能に

 花王販売はCEXを、VAN(付加価値通信網)サービスを提供するプラネット(本社東京)が4月に立ち上げた小売業向けのポータル・サイト「バイヤーズネット」からも利用できるようにする。このサイトには、花王やライオン、カネボウなど大手日用品・化粧品メーカー23社が参加を検討中だ。

 このバイヤーズネットにCEXの入り口を設け、小売りチェーン各社がポータル・サイトから同社にもアクセスできるようにする。小売りチェーンに対して、仕入れ先のメーカーや販社と個別に接続する手間やコストを軽減するのが狙いだ。

川又 英紀 hkawamat@nikkeibp.co.jp