PR

2005年には仏ルノー社のCEO就任が噂されるゴーン氏。後継者選びも注目される

 日産自動車は5月9日、新しい中期経営計画「日産180(ワンエイティー)」を発表した。国内外で100万台の販売拡大目標を打ち出したり、今後3年間で28の新型車を投入するなど攻めの姿勢を明確にした。

 日産はカルロス・ゴーン会長兼CEO(最高経営責任者)の下で、2001年度の連結営業利益が4900億円、売上高営業利益率が7.9%となり、いずれも過去最高を記録。このため、従来の中期計画「日産リバイバルプラン(NRP)」を1年前倒しで完了し、新計画の日産180で改革を加速させる。

コストから売り上げへ主眼を移す

 日産180の骨子は、NRPで打ち出した施策を強化・拡大し、より高い数値目標を設定したことだ。

 NRPをけん引したのは、社内横断のメンバーで構成する「クロスファンクショナルチーム(CFT)」と呼ぶ組織だ。「販売・マーケティング」「購買」など9テーマでCFTを設置していた。

 日産180では、新たにCFTの活動に400人を投入。CFTの適用範囲を広げて、知的財産管理など13テーマを対象にする。NRPとの違いは、売り上げを伸ばすテーマに主眼を置いたこと。NRPでは徹底したコスト削減によって、過去最高の利益を生み出した。さらに利益を向上させるためには、売り上げを伸ばすことが不可欠。このための施策が日産180である。

 日産180におけるCFTのテーマの1つである「日産品質3-3-3活動」が、この好例だ。品質3-3-3活動は、「商品魅力度」「商品品質」「販売サービス」という3項目において具体的な数値目標を設定し、品質改善につなげるものである。

 例えば、商品魅力度では、顧客へのヒアリングや調査機関の指標から、顧客認知度と顧客満足度を定期的に測る。すべての地域において各項目で上位3位に入ることを目指す。

チェンジリーダーが成功のカギ握る

 ただし、課題も残る。成功のカギを握るCFTは、新しいテーマが対象となり、しかもチームの数が増えた。

 企業風土の改革にまで踏み込むCFTには、チェンジリーダーが不可欠。少なくとも、CFTの数だけチェンジリーダーの育成が必要だ。チェンジリーダーの育成体制を作れるかどうかが、成否の分かれ目になるだろう。

西 雄大 tnishi@nikkeibp.co.jp