法人向け営業ポータルに7万社集める

 東京三菱銀行は、顧客として手薄だった地方の優良企業や中堅企業を開拓する。まず6月末、ウェブ・サイトによる有料情報サービスを強化。最新の経済情報を配信するほか、経営に関する助言や商談の仲介を行う。経営者の細かなニーズに効率良く対応し、顧客との関係を強化する。

 今秋から静岡銀行など4つの地方銀行に、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)方式でサービスのIT(情報技術)インフラを提供。「地銀の顧客も巻き込み、2004年までに7万社の会員を獲得したい」(法人営業企画室企画グループの大塚拓氏)という。

経営者同士が意見交換する場に

 新サービスの名称は、「SQUET(スケット)」。開始当初の会員数は1万5000社を見込む。中堅企業の経営者や経理部長クラスを対象に「情報配信」、「相談」、「交流」、「商談」の機能を持つ。

 情報配信は、三菱総合研究所(本社東京)などと協力。相談は、顧客がウェブ・サイトに「中国に新工場を建設する際のノウハウを知りたい」などと書き込むと、関連部門の担当者が電子メールで素早く回答する。交流や商談は、電子掲示板を使って顧客同士が匿名で経営の悩みを話し合ったり、新商品の売り込みができる。

 約160ある営業店ごとの専用ページも設置し、顧客の問い合わせに電子メールで答えるなど、営業活動の効率化も図る。ウェブ・サイト上のやり取りはデータベースに蓄積し、自由に検索できる。オーケイウェブ(同)のQ&Aサイト用ソフトを活用した。

法人向けネット・バンキングに発展

 今後は、全社を挙げてSQUETのサービス拡充に取り組む。本社に10人、全営業店に1人ずつ専任の担当者を配置。サービスを運営する関連会社のダイヤモンド ビジネス コンサルティング(同)の人員も大幅に増強した。

 同様のサービスを運営する銀行は増えているが、一方通行の情報配信が中心で失敗するケースが多い。東京三菱銀行は、SQUETを法人営業の重要なインフラと見なし、双方向のコミュニケーションを重視。将来的には法人向けネット・バンキング・システムを組み込む。地銀との連携は独自の取り組みで、意気込みを感じさせる。

三田真美 mmita@nikkeibp.co.jp