筆記試験の前に欲しい人材を判定する[図をクリックすると拡大表示]
 ネットワーク機器大手のシスコシステムズ(本社東京)は、10月1日に内定式を実施した来年度の新卒採用において、インターネット上でビジネスの資質を評価する仕組みを導入した。採用活動の初期段階で必要な人材の目星を付けて、その後の筆記試験で落とさないことが大きな狙いだ。

欲しい人材を逃がさない

 現在、シスコは様々な業務改革を進めており、リーダー的な役割を担う人材を重視している。しかし、一般的な試験では、こうした資質を見極めにくい。同社が応募者を絞り込むために実施している筆記試験の「SPI」は、主に個人の適性を調べるもので、ビジネスの資質を測定するものではない。

 そこで、本来欲しい人材を筆記試験で落としてしまわないように、ネット上で資質を判定する試験を導入。具体的には、プロモーション(本社東京)が開発した「ESP」と、イー・キュー・ジャパン(本社東京)が提供する「EQ」の2種類の手法による試験を実施した。いずれも、学生が人材登録する際に、ネット上で試験を受けてもらう。

 2つの試験のうち、ESPの評価を特に重視したという。ESPの評価が高かった学生は、筆記試験の点数にかかわらず、その後の面接の段階に進む。

 こうした学生に対する面接は、一般の学生とは中身が異なる。「いかにシスコが良い企業であるかを説明するようなスカウトの場になる」(小口利枝子・人事本部長)。こうした採用活動を通して、約1500人の応募者のなかから、12人を採用した。

他社に先駆けて人材を確保

 採用活動にネットを活用する「e採用」を実施する企業が増えてきたが、通常は人事担当者の手間や時間を削減することが大きな目的になる。

 これに対して、シスコシステムズは、必要な人材をネットでスカウトすることを狙ったという点で他社の取り組みとは一線を画する。「当社が欲しいような人材はどこの企業でも内定をもらえる。こうした人材をいち早く確保することが重要」(小口本部長)。

 同社では来期の新卒採用では、今回資質を判定するために活用したESPの比重をさらに高める計画である。

吉川 和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp